国の玄関口にいた市バス
前回のイコンタ話で古の写真を引っ張り出してきたので、今日もまた昔ばなし。
会社を辞め、無職の癖に一か月間も旅行を堪能した訳ですが、当時のベトナムは1ヵ月しかビザが取れなかったので、楽しい旅行もハノイに10日ほど滞在したところで、お開きの時間が近づいてまいりました。
ニャチャンって町からハノイへは飛行機で夜に移動だったのでわからなかったのですが、当時のノイバイ空港(ハノイ)は、サイゴンのタンソンニャット空港に比べて随分と近代的できれいな空港でした。
ただ、ボーディングブリッジが無い空港では、飛行機と空港の建物を結ぶバスがありますよね?あのバスが神戸市バスやったんですよね。あれは驚きました。
空港への道
ベトナムって特に鉄道網が弱くて、タイのように空港から街へ出る高速鉄道や国鉄がある訳でもないのです。
なので、タクシーかバスなんですが、当時のベトナムではバスなんて何処走ってるかわからないので乗れませんし、タクシーは当然のようにぼったくって来るので常に緊張感を強いられる移動でした。
しかもタクシーの運転手は、ノキアのガラケー(海外では何て言うのが良いんだろう?)でメールしながら器用に運転するので更にヒヤヒヤです。飛行機乗ってた人が皆こんな感じだったとすると、良く事故が起こらんもんだと感心します。
ノイバイ空港
考えてみればハノイって町は、曲がりなりにもベトナム社会主義共和国の首都なわけで、旧南ベトナムの首都だったサイゴンよりも色々なところに力が入っていて当たり前なんですよね。
件のノイバイ空港も作りは立派なんですが、何と言うかソビエト的な雰囲気。運営者的には質実剛健と言いたいんでしょうが、利用者からみれば無機質で不愛想な印象を受けました。嫌いではないですけどね。そんな雰囲気。
余談ですが、空港内の売店にいるお姉ちゃんも高圧的で、共産国らしくて初めは面白かったんですが、乗り換え待ちが長かったので何回も利用していると、最後は腹が立ってくるぐらいに接客が下手くそでしたね。
極めつけは土産物屋の商品が1/2米弗ってプライスが多かったんですが、一個だけ買うと「ハーフダラー」とか言いながら1万ベトナムドンのお釣りを返してくるんです。
で、滞在時間が長いのでちょっと経ってから、再度お釣りでもらったハーフダラーってヤツを使おうとすると「それでは買えない」とか言い出す始末。あまりにおかしいと思って抗議しても、旗色が悪くなると聞こえないフリしやがります。
売り手側が全く高圧的なんで、社会主義の残り香を楽しみたいならハノイの方がお勧めです。腹立ちますけどね(笑)
本題の市バス
話が脱線しまくりですが、元に戻して
愈々、ベトナムともお別れとなってタクシーから無事に下りて搭乗手続きを済ませると、飛行機が見えて色々な感情が蘇ります。
因みに、ノイバイ空港は空軍と共用なんで滑走路ではMiG-21がタッチアンドゴーなんかしてるのを見ることができました。
当時は完全に写真撮影禁止の雰囲気で、思いっきり軍事施設なところにカメラを向けられないので、色々と撮れなかったのが悔やまれます。
さて、搭乗時間が近づいてきたところで搭乗予定の飛行機近くをみると、何やら見慣れたバスが停まってます。
よく見ると左ハンドルに魔改造されてますが、粉うことなき神戸市バスがカラーリングもそのままに停まっているではありませんか。
多分、いすゞか三菱製造のバスなんですが、異国で見るそれはひと月近く日本を離れていた我々に郷愁を植え付けるには十分なインパクトで、何より忘れられない思い出になりました。帰国の途に就く際に、飛行機へと誘う乗り物が、日本のしかも地方都市の市バスとは何とも感慨深いではありませんか。
なんて、妙な感慨に耽っていたのですが、飛行機へ向かう段になってやってきたのは最新の空港バス…肝心なところでやらかします。
まあ、市バスに乗ったことない訳では無いからエエかーなんて、自分をごまかしながら帰国の途に就いたのですが、今思えば結構惜しいことをしました。
前述の2013年にはもう近代化が進んでいたので、中古の市バスなんて影も形もありませんでした。残念。
それにしてもなんで神戸市の市バスだったんでしょうね?
色々と調べても、詳細が出てきません。
誰かご存知の方がおられましたら、お教えいたきたいです。