そういやこれもPowerZoom
以前にCANONのPowerZoomについて書きましたが、そういえば次の世代のPowerZoomも持ってました。
悪評高いxiシリーズの100~300㎜F5・6です。
前述のEF35~80㎜に比べると格段に進化はしていますが、まだまだこの時代のパワーズームは発展途上でした。
概要とか
入手経路は大阪駅地下のあそこです。
勿論ジャンクコーナーです。
当時、サメみたいなα9xiは持ってたんですが、レンズが貧弱な状態でして、SONYのAPS判用レンズを除くとα7700i時代の35~105㎜とα3700iのキットレンズのような80~200㎜のみ。大変貧弱なラインナップです。
折角α550もあるので300㎜クラスを買えば450㎜になって、日課の潜水艦ウォッチングにも使えると思い、色々(安いのを)探していました。本当ならAPOの100~300㎜辺りが欲しいのですが、如何せん予算オーバー。趣味と仕事は分けるクチなので1㌔円を目安にのんびり探してました。
ある日、今までノーマークだったxiZoomが目に入って「操作性に目をつぶれば工学系が新しいだけ第二世代よりも良いレンズなのでは?」と云った考えが頭を過り、後先考えずに、ついついお買い上げ。
「操作性に目をつぶる」ことが出来そうにないことがわかるのは実際に使ってみてからの事でした。
用途的なもの
買った頃は丁度、先輩のカメラマンにクロスバイクを適当に仕立ててもらって、早朝のサイクリングに凝ってたところでしたので、万が一壊れても悔いのない機材ーが欲しかったのです。
早朝は朝焼けきれいですし、海沿いなのでカモメ飛んだりもしてるので、長玉で色々撮りたいけど、クロスバイクなのでデカいのは無理ーな感じでして、コンパクトな望遠ズームなら何でもエエかな?って思ってましたので、まさに用途にピッタリなレンズだと思ってました。
使ってみて
操作性に関してはお察しだとは思うのですが、一言で言うと非常に使いにくい。
同時代のPENTAXならズームリングを引き寄せればマニュアルズームになって「結局パワーズームなんてイランやん?」ぐらいの気持ちで済むところですが、此奴は「どっちにしても使いもんにならんやんけ!」って感じです。
これを定価で買った当時の方々は本当にご愁傷様な話ですが、何故こんな仕様にしたのか理解に苦しみます。
ズームリングを左右に回す(と言っても回転はしません。此処が地味にフラストレーション溜まります)とズーミング。ボディ側に引っ張って回すとマニュアルフォーカスになるという謎仕様。「マニュアルで使うとかイキったことする奴にはさらに使いにくくしてやる」みたいにマニュアル操作に対する憎しみみたいなのを感じるほど。
オートで何も考えずに使う分にはエエのですが、少しでも意思を介在させようとすると残力で阻止しに来るーみたいな仕様でしたね。よくこれでok出たもんだ…
随分腐してしまいましたが…
あまり貶してばかっりなのも何なので少し褒めると、当時の~300㎜ズームとしては大変小型でバランスも良いです。描写もまあ、及第点で可もなく不可もなくですし前述のとおり小さいので持ち運びには重宝したと思います。
ただ……やっぱり操作性がいただけませんね。
行ったり来たりしないとしっくりこないズーミングに、わざわざ電動にしたのに全く使い物にならないマニュアルフォーカス。この無駄な動作を当時定価1800円もしたリチウム電池でやらなきゃならないってのは酷い話です。電池一本でフィルムは15本ほどしか取れないので非常にコスパ悪いです。CANONのもNikonも上位機種は単三電池で動きましたが、MINOLTAはリチウム電池onlyでしたからね。逃げられません。
結果
当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったMINOLTAがハネウェルの訴訟で負けて莫大な賠償金を払わされた挙句、このxiシリーズで大コケして凋落していったのは有名な話です。
当時のテレビでサルにMINOLTAのα7xiを使わせて「機械の進歩でサルでも写真が撮れるようになりました」なんて言ってたらしいです。始めはこのテレビ番組みたいに、行き過ぎた自動化がオリジナリティを求めるユーザーから嫌われてシェアを喪失したーなんて思ってましたが、今なら単に使いにくいのを出したから売れなかっただけやんけって思いますね。
ただ、カメラの発展における鬼子のような存在としては結構面白いので、怖いものを見たい方は一度チャレンジしてみては?
今ならデジタルのAマウント機も格安ですし…