未だに残る失敗の痕跡
今日は姫路でお仕事でした。
朝一から始まったのですが、このご時世なんで予想以上のスピードで終了。
さすがに姫路まで来て午前中に終わったからってトンボ返りは惜しいです。
殺人光線のような日差しだったので、少し遠い姫路城は諦めて近所で何か…と思ったら、「姫路モノレール」の事を思い出しました。
暑いですが、手ぶらで帰るのはイヤなんで少し見に行ってみることに。
姫路モノレール
姫路モノレールは、1966年4月に姫路駅から微妙に離れている手柄山公園で開催された姫路博覧会用の輸送手段として同年5月に開業しました。
そう、4月に行われた博覧会用の輸送手段として5月に開業したんです。
大事なんで二回書きました。
つまり、姫路モノレールは博覧会用の輸送手段として建設されたにもかかわらず、開催後ひと月ほど遅れて開業したんです。大らかな時代ですね。
そして、ダイヤは朝遅くスタートし夕方には終わってしまうという遊園地の乗り物みたいなダイヤ。地元民の利用は考慮してないようでした。
辛うじて博覧会中は物珍しさもあって客足もあったみたいですが、一般利用を考慮しているとは思えないダイヤのお陰か赤字続き。当然の帰結として1974年に休止、79年に正式に廃止となったらしいです。
因みに、最終的には市内の交通機関としてだけでなく、鳥取まで延伸する壮大な構想さえあったそうで、広げた風呂敷の大きさに驚くばかりです。
朽ちていく夢の跡
因みにモノレールの路線は姫路駅と手柄山駅の1.6㎞。唯一の中間駅として団地をぶち抜く形の大将軍駅がありました。
これが姫路駅から徒歩圏内。5分ほど歩いたら着いてしまう距離にありました。そりゃ誰も乗らんわって話です。
10年程持ったのが奇跡なぐらいですね。
美香氏は姫路に行く用事が多かったので跡地もチョイチョイ見てましたが、最近は姫路にはトンと縁が無いもんで、どうなってるのか気になって見に行ってみました。
駅のすぐ裏手に
山陽姫路駅とJR姫路駅の間を少し西に行くと、直ぐにモノレールの橋脚が見えてきます。どうもモノレールを建設する際に橋脚と橋脚下の雑居ビルも同時に作ったみたいで、入居者が居る為か取り壊されずに残っています。
それでも半世紀経った橋脚は錆びて赤黒くなり、雑居ビルも耐震性とか心配なぐらいに経年劣化しているように見えます。
入居者も高齢化しているのがぱっと見でわかるぐらいに活気のない飲食店やらが並んでいますが、どうも気後れして入店できませんでした。まあ、やってるかどうかも怪しいですし、夜に来ないと開いてなさそうな店ばっかりなんで、昼間は活気が無くて当然なのかもしれません。
大将軍駅
なんかこうカッコイイ名前の大将軍駅ですが、その形状も大概カッコよくて、 10階建てRC造の公団住宅の3~4階部分にモノレールの駅がある構造。眩しいぐらいな近未来感なうえ、昨今のタワマンなんて比べ物にならないぐらいに駅近な物件です。
今回の目的は此処がどうなっているかをこの目で確かめることなんですが、見事に更地になってました。
公団住宅前の公園だけが寂しく残り、公園の中にあった橋脚は緑に覆われてトトロに出てくる矢鱈デカくて茂ってる木みたいに緑の大きな物体として鎮座してました。
此処迄更地になってるとは思わなかったのでちょっと面食らったんですが、現役時はスラム感が半端なかったので取り壊されるのも仕方ないところ。
調べてみると、取り壊したものの杭のH鋼が歪んで抜けなかったために土壌汚染等々の関係上駐車場にするしかないようです。
と、すると他の橋脚なんかも同じような状態である可能性があるので、しばらくはあのシュールな風景が拝めそうです。
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