雑食カメラマンの雑感記

神戸でフリーカメラマンをしています。写真やカメラのことを主に書いていこうと思いますが、たまに脱線します。よろしくお願いします。

XR-10PF ちょっと腐し過ぎたので…

結構いいところもある…はず

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散々腐しましたが、ちょっといい所もあるんです。

前回ご紹介したXR-10PFですが、ちょっと腐し過ぎた気もするので若干フォローしたいと思います。

 

blog.kobephotomic.work

 

XR-10PFが登場した1995年はオートフォーカス一眼レフ全盛期。

MINOLTAなんかは自動化を進めていた時代がひと段落して、操作性の向上に重きを置いていたころでしたが、翌年はCONTAXPENTAXの645もAF化するなど、自動化真っ盛りな時代でした。

結構な電気を喰うからか、設計上電池スペースを少しでも小さくしたいからか、その頃のカメラは大半がリチウム電池を使用する設計。確かに小さな電池一個で6Vの電気を賄うリチウム電池は、オートフォーカスのカメラにはもってこいな電池です。

でも、リチウム電池は高い!

当時の定価では確か一個1600円してました。

使い捨ての電池で1600円は学生には辛いので、単三電池だけで動くカメラは貴重な存在でした。

なので、単三電池4本で動くXR-10PFは当時としては貴重な存在でした。

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XR-10Pに比べて底部が膨らんでいるのが特徴。安定悪いです

あると安心な装備(使うとは言ってない

XR-10PFは省略されがちな機能や簡略化されがちな部分に手を抜かず装備しているのが特徴でした。

例えば、絞り込んだ状態をファインダー内で視認できる「プレビュー機構」。

スカスカのファインダーが主流となっていたこの時代にマニュアルフォーカス機らしく絞り込んだ状態を視認できるプレビュー機能を専用ボタンで装備したことは、結構なセールスポイントでした。当時の拗らせちゃった系なユーザーの心にはグッとくるものがありましたね。私も含めて。

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右手親指で押せる位置にあるプレビューボタン

ファインダーと言えばこのカメラ、ファインダースクリーンが交換できるんです。

上位機種にしか無い機能ですが、考えてみればXR-10PFはRicohのハイエンド機。交換できても不思議ではありません。今となっては交換スクリーンの入手はほぼ不可能なのが悲しい所ですが…

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交換可能なファインダースクリーン

それから、スタジオ用のストロボやナショPみたいなグリップストロボにも対応可能なシンクロターミナルも付いていました。この辺はストロボ使わなくっても「ジェネレーターに繋げられる」ってだけで安心できるもんです。実際はホットシューがあれば事は足るんですが、安心感って面では付いてるのが望ましい装備でしたね。

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当時は珍しかったシンクロターミナルも装備

あとはスポット測光ですね。当時の流行りもありますが、画面の真ん中数%の円だけを測光するこの方式は、そこそこのグレードのカメラにしかついていなかったんですが、XR-10PFは37000円なんていう廉価版でありながらも装備していました。

あとは、EOSやαがプラスチックの塊になって行って、フィルム室までプラスチックで作られていたこの時代に、きちんと金属を多用してしっかりと作られていたのは頼もしい所でした。EOSkissとかちょっと力入れて握るとギシギシ言うんで、非常に不安だった覚えがあります。

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フィルム室も含めて金属を多用。フィルム給送は赤外線読み取り式という豪華版

残念なパッケージ

ここまで良い物を持ちながら、操作系の残念さですべて台無しなのが惜しいですね。

実際、1979年のXR-1から始まったRicohのXRシリーズはこの機種で事実上終止符を打つ形になりました。

マニュアルフォーカスがウケなかったからとか、大手メーカーの広告力がとかもあるんでしょうが、何よりも操作系がマズかったんだなぁーってのが悲しいけど現実なんでしょうね。

デザインはかなり好みなんでRicohもミラーレスでこの手の「Rebel」な感じの機種をもう一度出してほしいですね。

もちろん操作性は一新して…

 

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