NikonといえばF2でした
高1の頃、初めにF-601を買って貰って以降、すっとNikonでした。
夏休みとか冬休みとかのバイトでNewFM2とFAを追加。必要もないのにモータードライブMD-12も買いました。
レンズもレンズメーカー性が半分を占めますが28㎜から300㎜までとりあえず揃えたとき、ふとハイエンドが欲しくなりました。
ちょうどベトナム戦争の従軍カメラマン噺を読んでいたこともあって、NikonのFかF2,もしくはLeicaのM型が異常に欲しくなったのです。
何事も形から入るのが流儀です。
もう一つ言うと、カメラの扱いが荒いんで、雑な扱いや雨風に負けないスパルタンなカメラが欲しかったんですね。手持ちのカメラは快調そのもので、壊れる気配すらありませんでしたけど。
防塵防滴がウリでプロユースを謳ったPENTAXのLXってのも考えたんですが、レンズをイチから揃える体力気力財力もないので、やっぱりNikonかなと思ってました。
機械式でないと…
色々調べてみると、どうも機械式のカメラが一番信頼できて良いーって考えにたどり着きました。
当時のカメラ雑誌は結構なバイアスがかかっていて、特に読者コーナーとかは「フルオートVSフルマニュアル」的に両極端な考えを持つ人たちが極端な意見を書いてお互いを牽制しあってました。
私もNewFM2を持ってたりしたもんで、所謂「フルマニュアル&フルメカニカル」派の意見が心地よく、EOSやαなんて全自動のカメラで写真を撮る行為は単にカメラに撮らされているだけだーなんてことを真剣に思ってました。
当時の自分に現状を見せてやりたいものです。
ハイエンドと言えば
当時のハイエンドはNikonだとF4でCanonだとEOS-1、プロユースって言うと疑問符がつきますがCONTAXだとRTSⅢでした。
懐かしいです。
20万円超(EOS-1は素のままだと18万ほどですがアレはブースター付けないとダメな気がするので…)のC/Nプロ機と、35万円という当時としてはギャグみたいな高値のRTSⅢは普通の高校生にはとても買えない代物。
なので代用としてCanonT-90とかΝewF-1、NikonならF3各型なんかが高校生としての精一杯な高級機でした。CONTAXは…使ってる人をあまり見ませんでしたね。あとMINOLTAのα9000とかですかね。
さて、だいたいプロ用とか言うのは壊れないものなのですが、前述の通り当時の私には「ハイエンドならどんな状況下においても作動しなければならない」なんて、戦場でも行くのかってほど過剰な要求がありました。
なので、機械式シャッターが絶対条件だったんですよね。
でも、NikonのF3もF4も完全電子シャッター。
電池がなくては動かないのが気に入りませんでした。
と、なるとNikonだとFかF2しか選択肢がありません。
で、レンズ装着のその他諸々の自由度からするとF2のPhomicAかPhotomicASしか残らないんです。この二機種は人気があって、中古でもF3と同じぐらいのお値段でした。
当時はNikonは中古市場でも他よりちょっと高かったんですよね。
同年代のCanon旧F-1は結構安かったので、当時はちょっと羨ましく思えました。
まさか友人からもらえるが来るとは思いませんでいたけどね。
結局PhotomicA
春休みをすべてビルの清掃のアルバイトに費やして得たバイト代を握りしめ、京都は三条のさくらやへ。
予算ギリギリ、バイト代を全部消費してAiNikkor50㎜F1.4SがついたF2PhotomicAを衝動買いのような勢いで鼻息荒く購入しました。
もう、天にも昇る気持ちですね。
あのときの、トキメキは、微かに思い出せるけど、もう二度と感じることはできないーんでしょうね。
おかげでその後は写真にのめり込み、スッカリ道を踏み外してしまいまして、今ではこんな体たらくですが、すごく楽しめたのは得難い収穫でしたね。
プロ用だけあって各部の動きはシッカリかつ滑らか。カチッとした動きは大きくて重いことなんて忘れてしまうほどです。
調子に乗ってモータードライブのMD-3を買って単三電池10本入れて使ってたんですが、連射遊びをしていたらいきなり壊れてしまって修理不能に。
この時代のモータードライブは脆くていけません。
中古で5万5000円もしたんですけどねぇ…
スペックに現れないもの
考えてみたら、当時のハイエンドって中級機のほうが性能上だったんですよね。
シャッタースペックなんかは完全に中級機のほうが上で日中シンクロとか多用するならFE2やFM2を使うのが当時は常識。シンクロ速度も最高速度も中級機のほうが上ですが、フィルムの巻き上げ速度だけはハイエンド機じゃないと秒間5コマ行かないので、そこら辺がプロ機のアドバンテージ。そして、そんなところに憧れたりしてました。
考えてみたら前述の通りモータドライブ本体は壊れるものの、本体は影響皆無。
そういったところに堅牢性ってのが発揮されるんですよね。
流石は10年スパンのカメラだけあります。
でも、何よりもバイト代を全部注ぎ込んで苦労して買ったカメラだから愛着も湧き、長持ちもしたんでしょうね。
今のジャンクカメラに塗れた生活は何かを失ってるかもしれません。
F2を眺めながら、そんなことを考えました。
使わないカメラを整理しないと…
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