35㎜でF3.5と暗めですが
前回大失敗のKR-10のオマケで入っていたレンズ。
何故かM42マウントのSuperTakumar35㎜F3.5です。
いやPENTAXとRicohってメーカー的には近いけど…コレってどやねんって気がします。
でもまあ、これらが入ってたお陰で取引が全くの無駄にならなかったのは救いですね。
昔からちょっと興味あったレンズなのですが、わざわざ買うってまで行かないようなブツです。
M42 マウントの広角レンズってあんまり状態がイイのを持ってないので、チョット期待できそうです。まあ、35㎜なんで広角って言うのは微妙なんですが…
作りは素晴らしい
この時代のPENTAXって、儲かってたからか作りが良いんですよね。
ちょっと前にご紹介したソフトケースもPENTAXのが良かったので、基本的にPENTAXは質感に手を抜かないメーカーなのかなと思います。まあ、PENTAXにはレンズマウントを同じくしたRicohってアンチテーゼがいますからね。
クリック感やヘリコイドの動きなんてのも素晴らしいです。
保管が良かっただけのかもしれませんが、グリス切れ感も無くてヌルヌル動きます。
外観も金属のみで構成されてるのでヤレ感は感じません。
放射能レンズじゃないんで黄ばみも無いんで全てにおいてイイ感じです。
でもスペックが…
残値なことにどれだけきれいな個体でも35㎜のF3.5なんですよね。
35㎜って結構ピント難しくって、そんなにボケないのにピント外すときは残念な感じに外します。
それでいて解放F値は3.5なもんだからフォーカス合わせるのにも一苦労です。
近景だと結構外します。
絞って使えばいいじゃないかと言われそうですが、絞るとさらに暗くなってピンがわからなくなります。
因みに私は基本ミラーレスでも開放でピント合わせるのですが、そこから絞るのって結構面倒。一応、このレンズにはワンアクションで設定した絞り値に絞り込むMAレバーが付いてるんで、一瞬で設定値まで絞り込めるんですが、一つ動作が増えるのはやっぱり面倒というか忘れてしまいます。
重要な最短撮影距離
そして忘れてならないのが最短撮影距離。
知らないうちに被写体との距離を詰めがちな広角レンズでは結構重要です。
大体35㎜のレンズだと30㎝以下が普通なんですが、このレンズは45㎝。
当時の50㎜レンズ並みの寄れなさ具合です。
大体、広角で寄れないとか何考えてんの?って感じです。
ですが、当時の使い方を想像してみたら35㎜は「観光地で記念写真を撮るためのレンズ」って位置付けなのかもしれません。35㎜派写ルンです的で記念写真のニコパチには使い勝手が良いですからね。
ただ、それに特化しちゃうと面白く無いんですよね。
FUJIの6×9みたいな実用onlyさがアレです。
因みに最小絞りはF16。
絞りのクリックは5段程度しかありません。
確かにISO100フィルムが高感度だったこの時代でしたら、それだけあれば十分って言えば十分なのかもしれませんが、趣味の道具ってオーバースペックな部分が無いと面白く無いんですよね。
実用に徹してる感じは嫌いではありませんが、無理してる感も欲しいところです。
不人気レンズじゃなかったみたい
やっぱりこのスペックだと人気無かったんだろうなって思ってました。
当時は暗いレンズしか作れなかったのかと言えばそうではなく、ちゃんとPENTAXでも35㎜F2は存在してたんですね。
ただ、コーティングが弱いのか設計に無理があったのか、結構ヤケてたりすることが多く状態の悪い個体が多いそうで、まともに生き残っているタマは少ないようです。
当時(今もですが)はコンパクトさと買いやすさがウリだったPENTAXにピッタリなのは、多少暗くてもコンパクトで取り回しの良いF3.5の方だったのかもしれません。
SuperTakumar35㎜F3.5のほうが中古市場でよく見かけることも人気があったことを裏付けているように思います。
コンパクトだけど…
ただ当時と違うのは付けるボディがPENTAXのSPやSPFではなく、マウントアダプターを介したデジタルカメラなんですよね。
フィルムで使うのもしてみたいんですが、何せフィルム単価が高くなってしまって…
で、一応、コンパクトな部類のEOS-R6に付けて使おうと思ってるんですが、レンズの小ささが浮き立ちますね。
何故かM42マウントのレンズって、他社のレンズに比べて鏡筒が細くて非常にコンパクトなんですが、SuperTakumar35㎜F3.5はその中でも小さい部類。
小さすぎて小ささの恩恵が感じられない変な事態に陥ってます。
ただカバンに忍ばせるには非常に良いサイズなんで、折を見て持ち出してやろうと目論んでます。
シチュエーションは選びますが…
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