「T-90」で検索するとВладими́рが真っ先に出ますが…
CanonのFDマウントは90年代早々にメーカーから見捨てられ、最後はNewF-1しかカタログに載ってないような悲しい状態でした。
丁度、今のEOS-1ｖみたいな境遇ですよね。
とはいえ、EOS-1が登場…というよりユーザーに認知されるまではCanonと言えばNewF-1とT-90って時代が長く続いてました。
半機械式でゴリゴリで武骨なNewF-1と高性能シャッターユニット＆秒間4.5ｺﾏ巻き上げ、スポット測光搭載で上手く纏められたT-90の組み合わせは変に「プロっぽい」感じでした。EOSが620と650しか無かった時代には「オートフォーカスなんて仕事でつかえねえや」なんて嘯く方々がカメラ雑誌等には多く見受けられ、益々Canonを使うプロはNewF-1＆T-90って風潮が強くなっていきました。一部だけかもしれませんが…
とまあ、仕事道具感を醸し出していたT-90ですが、電子機器の塊なカメラは年を経るごとに不調や故障が出てくるもの。メーカーの部品甫由紀減の切迫と後継機のEOSシリーズがそこそこ好調なことからだんだんと乗り換えが進み、EOS-1ｎが登場するとカメラ好きな方々の認識は一部の意固地な人達だけが使ってるカメラって感覚になってしまいました。
まあ、メーカーが終了を宣言したもんで新しいボディもレンズも出ないんですから仕方ないですが、当時はCanonの全く互換性の無いマウント変更を見て、自分のカメラはNikonで良かったと胸をなでおろしたのを覚えています。
今では仕事用カメラはCanon一辺倒なんですけどね…
そうそう、T-90て言えば…
露西亜の中型戦車、もといMBTって「T-〇〇」ってネーミングなんですよね。
T-34辺りから始まったのかな？
で、T-54/55、T-62、T72と来てたんですが、CanonのT-90が発売された頃は確かT-80が登場してそれほど経って無い頃。失敗作のAF機、CanonT-80とネーミングまる被りですが、その頃はまだロシアの地はソビエト連邦だったのでそんな情報は余り入ってきませんでした。
最近はロシアも対外輸出兵器なんかの情報をバンバン出しているので、「T-90」って検索すると当該戦車の情報がわんさか出てきます。
こうなると、当時メーカーが提唱して誰も使わなかったT-90のキャッチコピー「TANK」の愛称が生きてきますね。
先見の明があるなぁ…
閑話休題
そんな感じ（どんな感じだ）で魅力いっぱいのT-90ですが、FDマウントであることが災いして手に入れられずにいました。
昔はT-60を修学旅行で行ったアメリカで買おうとしたり、ベトナムで売ってた途上国向けモンキーモデルのCanonAT-1を買おうとしたりしてたんですが、やっぱりFDマウントってところに引っかかって買うまで至りませんでした。
ところが先日、友人から旧F-1を貰ったんで、そこからちょっとずつFDマウントのレンズが増えてきました。
レンズが増えるとボディも欲しくなるもので、丁度ヤフオクで誰も入札していないT-90（ジャンク）があったんで、入札してみたらあっさりと落札してしまいました。
いつものパターンです。
憧れのT-90…
何しろ、小学生時代から広告等々で良く見たT-90 です。
EOSのご先祖さまと言われるほどあって、さすがに使いやすい操作系。
しかもペンタ部にシンクロターミナルを増設した改造機でした。完璧なT-90です。
この増設シンクロターミナルは、当時T-90 唯一の欠点だった大型ストロボやナショPを使う際に必須のシンクロターミナルを後付けしたモノです。今となっては使い道は無いものの、ストロボ必須だった当時としては大変ありがたいもので、結構な個体が改造されてます。但しこの改造は急ごしらえな部分があったらしく、安全装置が無いとかでホットシューにストロボ付けてるときにシンクロターミナルを触ったままシャッターを切ると感電するとか言われてました。
まあ、噂話なんで裏撮っては無いんですが、そのエピソードですら「プロっぽい…」なんて思っていたガキの頃の自分を思い出しました。何とも微笑ましい時代です。
「EEE」と「HELP」
とまあ、ここまでは良いこと尽くめですが、ヤフオクジャンク→競合ナシーのいつものパターンでやっぱり難アリ品でした。
シャッター切ったら「EEE」表示が出ます。
ちょっと調べてみたらシャッターユニットの電磁石固着から来る故障みたいですが、修理屋さんに頼めば何とかなるような症状みたいです。
「HELP」表示が出たら基盤が終わりとか言われてるようですが、その個体は見たことないので何ともわかりません。
往年のMacintoshで爆弾マークが出たらアウトーってのと近い感じの故障表示が前世紀のデジタルモノっぽくて面白いですね。
さて、コイツは治すまで行くのかどうか…
思いっきり使いたい気持ちはあるんですけどね。
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