アーセナル工場謹製の適当カメラです
アーセナル工場で有名なKievってスッゴイ節操無いですよね。
知ってるだけでもハッセルブラッド1000F、ペンタコン6、旧コンタックス2と3、挙句の果てにはミノックス35GLなんてのまでコピーしてました。
PENTACON6はお仲間の東ドイツ製ですし、CONTAXは戦争終結のゴタゴタに紛れて工場ごとパクってきたってのは有名な話。ここら辺までは理解できますが、HASSELBLAD1000Fってのはさすがに酷い話です。とっくに戦争終わっとるやないか⁉
地味にMINOXもそうですけどね。
マルパクリの例として毎度出しちゃいますが、「ボーイングスキー」って呼ばれたあの飛行機の一連を彷彿とさせますね。
20年ほど昔に、朝日カメラの広告欄にMINOXコピーであることを隠そうともしない「KIEV35A」ってカメラが載っていたんですが、当時の私は通販なんてので買い物するのは初めて。しかも郵便でやり取りするってアナログな時代だったもんで、ドキドキしながらやり取りしたのを昨日のことのように覚えています。
このKIEV35A、初めの方はちゃんと動いたんですけどフィルム2~3本通したら壊れてダメになってしまいました。想定内ではありましたが困ったもんです。
そんなこんなで良い思い出なんて一つもないアーセナル工場製のカメラですが、性懲りもなく新たなブツを入手してしまいました。
それが、「KIEV-19」
NikonFマウントのエグイやつです。
NikonFマウント
さてこのKIEV-19、NikonのFマウントを使用するカメラとしては、多分今まで作られた中でも一番性能と信頼性が低いカメラと言っても過言では無いです。
シャッタースペックはB.1/2~1/500sec。
なかなかの低性能です。
使う機会は無いと言っても1secのスローシャッターぐらいは用意しとけよって思いますよね。1/1000secが無いのも何気にツライ。
確か上位モデルには1secと1/1000secはあったと思われますが、一眼レフの時代にシャッタースペックで廉価版と差別化するってのが何気にセコイです。バルナックライカの時代ならまだしも、そこそこ技術が上がってるのにって思いますよね。
露出計内蔵
そしてこのKiev-19、TTL露出計が内蔵されてます。
まあ、当たり前っていえば当たり前の機能なんですが、ロシア機だとスゴイってなるのは仕方ないところ。まあ、大体動かないんですけどね。動いても信用しませんし…
で、驚くべきことにNikonFマウントでTTL露出計が内蔵なのに、カニ爪を引っ掛けるところもAiレバーもありません。
どう、コイツは絞り込み測光なんです。
Kiev-19が生産されてたのって1985~1990年頃らしいんですが、西側諸国ではオートフォーカスだの電子マウントだのってやってた時代に絞り込み測光の一眼レフを商品として世に送り出す胆力に驚きです。
絞り込み測光ってM42マウントか⁉
そりゃ崩壊もするって話です。
耐久性
ノルマを達成しうることしか考えていないソビエト時代のカメラなんで、精度・耐久性・信頼性なんて言葉は商品の中には存在せず、スローガンの中にしかありません。
なので、今回仕入れたブツも例に漏れず壊れてました。
ミラーアップ&巻き上げたらシャッター落ちる仕様。たまにシャッターが開いたままになるという絶望的なオマケつきです。
それにしてもこのカメラは左右非対称なデザインなんですが、凡そ人間工学に基づいていないので、持ち手の右側よりも何故か左側の方が大きいんです。多分シャッター制御関連の機械が入ってるために大きいんだと思われるんですが、持ちにくくしてまで左の部分をデカくしておきながら肝心のシャッターが壊れるなんて人をバカにしてんのか-って思いますが、それがロシアカメラってやつなんですよね。悲しいけど。
ただマウント開けて絞り込みレバーを上げ下げしてやれば、一応それとなく動く様ではあるんです。
シャッター切る度にマウントからレンズ外してレバー上げ下げしてからまたレンズ付けて撮影ーなんて面倒なことをすれば使えはするんですがね。
まあ、文鎮確定ですね。
書道なんてしないのに文鎮ばかりが増えていきます。
さて今度はKIEVのⅣ型を…
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