RICOH XR-S!!
昭和でバブルよりも前の時代「キカイダー」なんていう石ノ森章太郎原作の特撮番組がありました。時期的にはオイルショック辺りかな?
キカイダーってダジャレの効いたネーミングで、名前の通りロボット(機械)の主人公が変身して悪の組織と戦うって定番の設定が素敵な番組。その後継番組でそのキカイダーの兄(前モデル?)設定で「キカイダー01」ってのがありまして、それはキカイダーの前モデルだけあって駆動方式が太陽電池って設定でした。
太陽光で動くヒーローってのが斬新なキカイダー01でしたが、昭和の太陽光発電だけあって夜間はおろかちょっと荒天になっただけでも大幅にパワーダウンするっていうポンコツ具合が目新しいヒーローでした。
子供心に「いくらなんでも予備電源とかあるやろ」と思ってたら太陽光発電一本槍で何の対策もしていなくて、夜明け前に敵に襲われて回を跨ぐピンチに陥ってました。
その回では、敵は明け方近くに襲撃をかけたようで、敵から逃げて隠れているうちに夜が明けてキカイダー01の充電完了→パワーが回復したので敵をボコって一件落着ーという流れでした。どっとはれ。
まあ、当時トップシェアだった朝日ソーラの太陽光発電もお風呂のお湯を沸かす補助として使うのが関の山でしたから、時代を考えたら太陽電池駆動の機械人形が夜に敵と戦えないのは仕方ないのかもしれません。
さて、話が変なところに行ってしまいましたが
今回手に入れたRicohのXR-Sもそんな昭和なポンコツ具合が楽しめる太陽光発電で駆動するカメラです。
時代的にフィルムの自動巻き上げやオートフォーカスなんて電池を喰うような機構がないので出来たんでしょうけど、完全電子シャッターのこのカメラを太陽光のみで動かそうというのは些か無謀だったと言わざるをえません。
太陽光電池を使いたいなら、せめて機械シャッターのカメラに付けたらいいのにって思いましたが、やっぱり皆同じように思っていたのか90年代に再度太陽光電池のXR-SOLARが出たときには機械式シャッターのXR-8Superをベースに作られて露出計のみ太陽電池で駆動する実用的な方式に改められていました。
多分、当時はキカイダー01化したXR-Sがホウボウで動けなくなっていたんでしょうね。
機能的には同時代に出たXR-7の電源を太陽光に改めたもの。
発売時期から考えたら、XR-Sの電源を普通のLR-44に改めたのがXR-7という方が正しいのかもしれません。
スペックは非常に一般的なものでKマウントの絞り優先&マニュアル露出機。
シャッターは電子式経てば知りシャッターで、レンジは16〜1/1000secです。
フィルム巻き上げを自動で行うオートワインダーも用意されてますが、こちらは太陽光では動きません。
あくまで本体の動きにのみ太陽光発電は適用されます。
太陽光電池で駆動するという当時としては奇抜なカメラですが、そこそこ売れたみたいで中古でも結構見かけます。
値段も高値くないのがタマ数の多さを物語ってます。
下手するとXR-PやXR-20 Spなんかの高級機よりもよく見かけるので、商売的にはそこそこヒットしたのかもしれません。
まあ、機能的には特に目新しさがないカメラですが、他に類を見ない太陽電池が印象に残るのとオイルショックに伴う省エネブームに乗っかったのでしょう。
届いたXR-Sはマウント面に素人修理の跡が生々しく残っていて、結構不安な状態。
バッテリーホルダーは液漏れした跡があって、動くのかどうかわかりません。
もちろん,太陽光を充電するためのNi-Cd電池は入ってませんので、太陽光パネルが生きているのかどうかもわからない状態です。
色々と検索してみると自転車用のNi-Cd電池に小加工すれば使えるみたいなんで、ちょっと試してみようかなと思ってます。
何よりも先ずは機械が生きてるか見ないといけないのですが、XR-7も修理しないといけないので、壊れてたらどちらを先に治すのか迷うところですね。
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