いつ見ても秀逸なデザインのEOS10QD
フィルムの方のEOS10。
「D」じゃなくて「QD」のほう。
QuartzDateの略でQDです。
日付写し込み機能付きってだけのいみで「QD」を冠しているフィルム一眼レフですが、このEOS10QDは中央一点しかAFの測距点が無かった時代に三点測距出来たり、フィルムの穴を赤外線で読み取って正確なコマ間で撮影出来たりと当時のハイエンドなEOS-1よりも先進的なカメラとして登場しました。
極めつけは「アートコード」なる機能で、有名写真家の作品が印刷されてる冊子から作品下のバーコードを読み取ったらその作家風な写真が撮れるって代物。
まあ、盛大な実験かつコマーシャルで当時は話題になったもんですが、誰が考えても結果はわかる通り、実用性は皆無でした。
多分、当時新品で買った人も「アートコード(笑)」って感じでスルーして使ってたことなんでしょうね。
そんなEOS10QDは当時のCanonの看板機。
FDの時代ならA-1みたいな位置付けです。
で、企業の記念的なのがあった際に売りっ出される記念モデルなんて規格があった際には同機がベースになって発売されます。
で、今回手に入れたのはそんな記念モデル。Canonの創業から生産販売台数が6000万台を突破した記念で発売されたメタリックグレーのEOS10QDです。
メタリックグレーってのは当時流行りのチタン色っぽくてなかなか精悍な感じがイイ味出してます。そういや前の型のEOS630もガンメタ色で出てましたし、この当時はカメラのカラーリングについて色々試行錯誤してましたね。
今見てもこのグレー系は悪くないんで、もう一度EOSR系ででもって欲しいーなんて思ってたらEOSRPってのがありましたね。
アレもグレーとゴールド(!!)がありましたが、EOSRP自体の影が薄いんで存在を忘れてました。でもアレはイマイチだったなぁ…
思い出噺
そういえばこのEOS10QD、一回だけ仕事で使った記憶があります。
2000年頃、当時はまだフィルム全盛期で証明写真なんかはフィルム&密着焼きって手法でやってました。
35㎜フィルムのコマ内寸は24㎜×36㎜なんで、フィルムを印画紙の上において露光するという密着焼きをすると2.4×3.0の証明写真が安価に出来るんですよね。
で、当時数か月だけ在籍した電気屋兼写真屋みたいな会社から看護学校の証明写真を命じられて撮りに行ったんですが、ライティングも無しでこの記念モデルの本体と標準ズームだけで撮りに行かされたのも今ではいい思い出です。
街論お仕事はきちんと遂行しましたが、ライティングも無しにそこそこちゃんと撮れたのには驚きました。
で、恒例のジャンク箱
そんな懐かしのグレーEOS10QDを拾ったのは、いつも立ち寄る三宮のキタムラ。
2CR5電池付きだったので、思わずお買い上げだったんですが、プライスは500円。
安すぎて全額Tポイント払いで買えちゃったので、実質的には0円ってところ(なので「拾った」)です。
勿論、1㌔を下回るジャンクなんで恒例の「難アリ」物件。
シャッター幕が溶けたモルトプレンのようなもので固着してました。
どうもシャッターダンパーが溶けたっていういつもの持病が悪化した個体のようです。
前に手に入れたEOS10QDはファインダーの液晶表示がバカになってたので、ちょっとアレでしたが、コイツはシャッターがダメなんですよね。
ニコイチにしたいですがそんな技量が無いもんで、地道にシャッターダンパーを溶かして除去してみたいと思ってます。
動けば御の字ですが、フィルムを通すかどうかはまた別問題…
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