PENTAX P-30T
1990年頃、PENTAXはAF化の波にイマイチ乗り遅れた感があったんですが、その分バラエティに富んだカメラを提供していました。
フラッグシップ/ハイエンドは「LX」
中級機且つAF機のフラッグシップが「SFXn」
初めての一眼レフ向けカメラが「SF7」
そして廉価でシンプルな「P30n」
といったチグハグさが際立つラインナップです。
性能的にもフィルムの巻き上げ速度やアクセサリーの充実度なんかはLXの独壇場でしたが、シャッターのスペックや各部の自動化などの流行りな部分はSFXが優れてました。さらに、画質的な事に言及するならミディアムフォーマットのPENTAX67や同645なんて他社にないスゴイヤツがあるので、どれ選んでも不満が残るという「帯に短し襷に長し」なラインナンップでした。
個性的すぎるデザインの陰で
そんな(?)SFXnとSF7はペンタ部にストロボを内蔵。
今や当たり前となった、そして現在廃れつつあるリトラクダブルストロボですが、当時はまだ珍しい機能です。
その分ストロボ周りのデザインが野暮ったくて、初代EOSkIss辺りのダハミラー 搭載機が出るまではなんだか妙に頭でっかちなカメラが続々と登場しました。
そのトップバッターみたいなのが前述のSFX一族で、どうせデカくなるならペンタ部に液晶表示盤もくっ付けて纏めてしまったために、PENTAXの名に恥じない大きな頭頂部を持ったカメラになってしまいました。
私はNikonのPhotomicファインダーとかF3AFなんかの際物が好きな方なんで、このテのデザインも好きなんですが、当時のシュッとしたデザインとMINOLTAやCanonのAF機を見慣れた目からは奇異に映ったとしても仕方のないところですよね。
その反面、ラインナップの天辺と底辺は昔ながらのМF機で何とも見慣れた好ましいデザインでした。
ようやく本題
で、今回ジャンクで入手したのがそのPENTAX P30nのマイナーチェンジ版であるP30T。
違いは色の他になんかあった気がしますが忘れました。
まあ、殆ど同じです。
「T」はTitaniumのT。
でもNikonF2やOlympusのOM-4Ti、CONTAXのS2みたいにボディがTitaniumで出来てる訳じゃなくて色だけがチタン風の色ってだけです。
プラスチックの黒のようにテカテカにならなくていいんですが、擦り減ったら地金じゃなくて黒いプラスチックが浮き出てきて何か残念な見てくれになっちゃいます。
主なスペックとしては、
シャッター速度がB・1~1/1000secで、X接点は1/100と残念スペック。
露出はマニュアルと絞り優先のほかプログラムAEが使えます。
なのでマウントは電気接点てんこ盛りのKAマウント。プログラムAEの為だけについてると思うと、ちょっと過剰な気もします。
あとは本当にオーソドックスなカメラなんで、特に気になる点もありません。
つくりはそれなりにシッカリしてるので、お値段考えたらなかなかお買い得。
常用フィルムはネオパンSSやPlusXを使うし日中シンクロとかもしないっていうならオススメできるカメラでしたね。
ただ、ファインダーはちょっと見辛い追伸式モドキのLED表示なのでマニュアルで使うにはちょっと慣れが必要かもしれません。
まあ、αの第二世代やEOS600系の露出計に比べたら使い勝手は雲泥の差でP30の方がマシなので、時代的には可も不可もなくスタンダードなのかなって思ったりもします。
何より、今ならフィルムの半額位で買えるので、昔を懐かしむついでに買ってみても良いのかなって思って持って帰ってきました。
ただ、ウチには出動を待つKマウントMF機がゴロゴロしてるので、果たしてコイツにフィルムを入れる日が来るのか?ってのが問題です。
ああ、またやっちゃったなぁ…
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