雑食カメラマンの雑感記

神戸でフリーカメラマンをしています。写真やカメラのことを主に書いていこうと思いますが、たまに脱線します。よろしくお願いします。

PENTAX SuperA

PENTAXのマルチモード機です

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手堅くまとめられたマルチモード機です

「マルチモード」なんて言葉自体は黴臭い感じもしますが、今現在フィルムカメラで使い物になるのってこのあたりの世代からですよね。

念の為に補足しておくと、「マルチモード」ってのは自動露出(以後AE)のすべてのモードが入ってるって意味でして、全てカメラ任せのプログラムAE(P)、シャッター速度を自分で決めるシャッター優先AE(Tv又はS)、絞り値を自分で設定する絞り優先AE(Av又はA)、そしてシャッター速度・絞り値共に自分で設定するマニュアル(M)の4つが入っているカメラを「マルチモード機」って言ってました。当時は各メーカーがモードの多さを競っているきらいもあって、ストロボのTTL調光や外部調光モードまで含めて「〇〇モード搭載!!」なんてキャッチコピーも見られましたね。今考えたら操作が煩雑になるだけなんですけども…色々機能がある方が上等ーって感覚に当時の世相が垣間見れて懐かしくなりますね。

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この辺の仕上げは結構良いです

さて、マルチモード機ってのは先ず1977年にCanonからA-1が発売され、その後発売されたMINOLTAのXDがライバルとして登場したことでカメラ誌なんかは大賑わいでした。その後、FUJIFilmからFUJICA X-5が発売、その後MAMIYAからもZE-Xが発売され、市場はマルチモード機ラッシュになります。が、FUJIもMAMIYAもマイナーマウント故か売上的には結構苦戦したようです。結果的に二社とも35㎜一眼レフから撤退してますからね。

そんな折にPENTAXから発売されたのがSuperAです。

1983年とマルチモード機としては後発組だけに上手く纏められています。

何と言っても「ヨーロピアンカメラオブ・ザ・イヤー」受賞してますからね。

ネーミングが…

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SuperなAです

そういえばPENTAXって結構ネーミングがアレですよね。

SPとかLXとかの有名所は置いといて、SFXとかist※Dとか…ちょっと言い難い名前が多い気がします。

SuperAもその一つで、なんとなく昔の子供向けアニメに出てくるロボットとかみたいなネーミング(友人談)です。

90年代初頭に京都市内にある小さなカメラ屋の広告でこのSuperAが在庫処分品で安く売られてました。SuperAって結構いいカメラだなと思っていたので、当時良く遊んでいたT君に勧めたところ、上記の台詞で断られてしまいました。

うん、たしかに名前はカッチョ悪いですよね。

でも、その後T君はKYOCERA230AFなんかを買ってたんですよね。
実を取るならPENTAXの方が安い中古レンズもアクセサリー類も豊富ですし、何よりもSuperAなら基本的な性能が高いんで、カメラ自体は問題ないはず。そんなにSuperなAが嫌なら名前のところをパーマセルテープかなんかで隠すとかして使えばいいのになーなんて思ってました。

なによりも京セラがOKならSuperAなんて全然問題ないだろうに…

結構先進的

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電子接点がマウントにあります

昔のレンズマウントって機械的な接点でレンズの情報(主に絞り値)をボディ側に伝えてました。

NikonPENTAXは構造上、シャッター優先やプログラムAEには不向きなのですが、PENTAXでは解決するに今では不可欠な電子接点を用いました。その初号機がSuperAなんです。

因みにNikonは複雑な構造で機械的に攻略しましたが、AF化の際に電子接点を追加しています。旧来の技術と新世代の構造の折り合いをつけるのって難しんでしょうね。

そのSuperAからマウント上に電子接点が追加されて「KAマウント」って新たな企画になります。その電子接点はAF化してからも生きているので最新のデジイチでKAマウントのレンズならフルモードで使えるみたいです。ist-Dはとっくに売り払っちゃったんで、確認する術がなくてアレなんですが…

丁度良い大きさ

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小さすぎず大きすぎずってサイズです

まあ、小型軽量をウリにしているPENTAXらしく、他のより一回り小さい「感」のある大きさです。

実際はそれほど小さくないのでしょうし、前のMシリーズに比べると一回り大きいんですが、私にはMシリーズは小さすぎたのでちょうどいい大きさです。

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特徴的なフィルムホルダー付き背面グリップ

使い易いかどうかは別にして、PENTAXはMESuperからマニュアルのシャッター速度をダイヤルではなくプッシュボタン式にしたんで軍艦部はスッキリです。

多分ボタン式はMESuperで不評だったんでしょう。ファインダー覗かないとカメラがどんな設定になってるかわかりませんからね。

なので、SuperAからは小さな液晶でシャッター速度が表示されます。

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ごく小さな液晶が付いてます

液晶が高級だった当時としてはなかなか贅沢な仕様で、ファインダー内表示も液晶です。今にしてみればチープな表示ですが、同時期のF3やFAよりも情報量が多くて気合の入りようを伺わせます。

全体にそつなく仕上がっていて、マルチパターン測光とかスポット測光等の新機軸もないんですが、ファインダーも見やすくマニュアル露出もLXよりはやりやすい(個人の感想です)んで、文句のつけにくいカメラだと思います。

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定番の外付け巻き上げ装置が付きます

外付けの巻き上げ装置もワインダーとモータードライブの二種類が選択可能で、なかなか楽しませてくれますし、ストロボのTTL調光にも対応してます。

今tかっても違和感ないカメラなんで、PENTAXを試してみたい方々にはお勧めです。

さてコイツもフィルム入れて試写しないといけませんが、フィルム高いんですよね…

 

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