雑食カメラマンの雑感記

神戸でフリーカメラマンをしています。写真やカメラのことを主に書いていこうと思いますが、たまに脱線します。よろしくお願いします。

KYOCERA270AF デザインは小マシになったものの…

KYOCERA一眼レフ撤退の布石

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見た目は良さ気な270AFですが…

何故かよく見かけたKYOCERAの一眼レフ。

出も見かけるのは何となくエジプトを彷彿とさせるデザインの230AFばかりで、その後継機ってあんまり見かけなかったんですよね。

廉価版の210AF/200AFもあまり見ないんですが、何よりも後継機種の270AF、誣いてはKYOCERA一眼レフに引導を渡した最終機種である300AFなんて影も形もありません。

思い起こしてみたら売れるポイントなんて皆無でしたからね。

一連のKYOCERA一眼レフ自体、本体の京セラって大会社の体力とCONTAX知名度で持ってたようなもんだと思ってます。

そんな230AFの愉快な仲間たちを手に入れてしまいました。
前述の通りレアな機種、270AFです。

300AFは本当に見かけません。

ホンマに売ってたのか?ってぐらいですが、いつか手に入れたい…です。

270AF⁉

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270AFではストロボも出っ放しじゃなくなってます

スフインクスだったりピラミッドだったり、人によっていろいろなエジプトを連想させる230AFですが、基本性能はそこそこ充実していたように思います。

対α7000としてはかなりいい線行ってたんじゃないでしょうか?

ですが、AF一眼レフも第二世代に入ると各社相当鎬を削ってきまして、ワイドフォーカスエリアや動体予測AFの採用など、個性と操作性が格段に向上してきます。
同時にフォルムも角ばった80年代デザインから丸っこいデザインが主流になり、ボタン操作からダイヤルを主とした操作へと移っていきます。

で、AF一眼レフ市場では新参者だったKYOCERAは、出遅れてしまったみたいで新型機がなかなか出ません。

やっと出たのは1991年の11月。

CanonはEOS10、MINOLTAはα7xi、PENTAXですらZ-1を登場させていました。

格が違うのは承知の上ですが、上記機種に比べるとKYOCERA270AFってのはなんともパッとしない新型機でしたね。

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抑々、独自マウントってのが冒険し過ぎで…

見た目はそれなり…?

この270AF、見た目的には結構いい線行ってると思うんですよね。

明らかにCanonを意識した意匠ですが、ごつさと丸っこさは当時のデザイン的に外してないと思います。

ロゴがダサいとかは置いといて、まあまあ好ましいデザイン。

何よりもシャッターダイヤル後ろにあるダイヤルが使い易そうって感じます。

が、

コレはダイヤルじゃなくてレバーなんですよね。

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シャッターボタン回りはEOSそっくりですが…

PENTAXのSF-7と同じダイヤルフェイクのレバーです。

したがってマニュアル露出とかは非常にやり辛くて難儀します。

プログラムモードの時にこのダイヤルモドキレバーを動かすと「PROGRAM」の文字が点滅しますどうやらプログラムシフトすらさせてくれないようです。

何よりもマニュアルとかプログラムシフト言う以前にファインダー表示が赤と緑のLEDしか無いので、メータードマニュアルってのが出来ません。

AE-1か⁉

プログラムの時だけ「P」の表示が出ますがそれだけ。

1990年代のカメラとは思えないほど色々なところが簡素化されてます。

見た目が好さげなだけに惜しい…

謎の機能

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謎の機能…

実は270AFには他社の一眼レフでは見かけない機能が付いてまして、それが「F.RANGE」と書かれたボタン。これはオートフォーカスの際に遠景か近景を選択するってよくわからないモノですが、これはマクロレンズCanonの望遠系レンズについてるフォーカスリミッターみたいなもんでしょうね。3mを境に遠景と近景を分けているようです。単に測距距離を制限してピントの中抜けやらの事故を防ぐってモノみたいです。

まあ、KYOCERA初の動体予測AFを搭載したのが本機なので、色々と試行錯誤の末なんでしょうが、今となってはチョット残念感のある機能です。

210AFの後継機

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この辺りのボタン配置も210AF系統ですね

考えてみたらコイツは意外と高性能な230AFの後継機じゃなくて、230AEから色々な機能をオミットした210AFの後継機なんですよね。多分。

そう考えたらマルチモードの癖にプログラムしか使わせる気が無い操作系や、事実上何も情報を提示してくれないファインダー内表示なんかも合点がいきます。

多分、同メーカーでもYASHICA108MPの方がファインダー内の表示ちゃんとしてるんですよね。少なくとも露出のオーパーアンダーは表示されます。270AFのは殆ど何も表示されないのと同じなファインダー内表示です。当時のコンパクトカメラと同じような感じです。

シャッター切った時のモッサリ感とかも相まって、なんとも見掛け倒しな感じのカメラに仕上がってます。

230AFはもうちょっとキビキビした動きだったような気がしますが、270AFは廉価版なんで仕方ないですね。お値段もお値段だったみたいなんで…

レンズが

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距離環指標が斜めに付いちゃうレンズが何とも不安定な感じです

因みに今回落札した本体に付いてきたレンズが望遠ズームなんで、標準ズームを付けてみたいとコイツの進化がイマイチわからなかったりします。

街の中古屋さんでジャンク籠を漁ってみたんですが、レンズのみってのが出てきません。というよりKYOCERA一眼レフ自体が結構レアな存在で、たまにあっても230AFに35-70㎜付きってのがほとんどです。

これはKYOCERA一眼レフ増殖の兆候なのかもしれません…

 

 

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