雑食カメラマンの雑感記

神戸でフリーカメラマンをしています。写真やカメラのことを主に書いていこうと思いますが、たまに脱線します。よろしくお願いします。

明後日の未来へ CanonT80

ウクライナで名を馳せたヤラレメカと同じ名前です

Объект 219 сп 1

さて、商業的に失敗したカメラってなかなか趣深いものがあるのですが、CanonのT80もその一つではないでしょうか?

T80は所謂「αショック」の真っただ中に発売されたCanonの本格的一歩手前のオートフォーカス一眼レフ。

それなりに完成度が高かったんですがフォーカススピードの不足と、操作系統をナメた感じに仕上げたのが原因で販売は振るわず、FDマウントオートフォーカス一眼レフって存在はT80で潰えることになります。

まあ、ありていに言えば人柱になったカメラって事ですね。

この後マウント変更してEOSシリーズで大ヒットを飛ばすので、実証実験機と思えば…
ってカメラです。

レンズがゴツいのがこの時代のAF機って感じです

オート不要論

デジタル全盛の今では考えられないことですが、1990年代まではカメラ雑誌の投稿コーナー(懐かしい…)なんかに「オート不要論」的な考えがまかり通ってまして、トートフォーカスや自動巻き上げ巻き戻し、果てはAE不要まで言い出す輩が居たりして、なかなか面白い時代でありました。

確かに写真機の仕組みがわかってきて、今までDPE店任せにしてきた現像やら焼き付けやらの作業を自分でするようになると、初心者ならではの万能感を感じたりします。

で、コレだけ自分でやれるんだから機械の手助けなんて要らんわ→そのテの自動化はメーカーの搾取じゃないのかーなんてヤバい思想に至ったりすると、全ての自動化を否定してしまったりする、中二病によく似た症状を発症したりしたんですよね。

描く言う私がその入り口に立ってしまってたもんで、今考えたら相当恥ずかしい話ですね。当時はFM-2とかF2なんか買ってしまった為に拗らせちゃったんですね。

まあ、若いときは突っ走っちゃうもんなんで…

マニュアル操作の対極

操作はごくシンプルです…

前置きが長くなりましたが、T80はそんなオート不要論の対極なカメラ。

基本露出はプログラムで「スポーツモード」とか「風景モード」とかのわかりやすいピクトグラムに指標を合わせて撮影するスタイルです。

なので、基本的に1/2000secとかF5.6とかそんな数字とは無縁です。

そうなると先程のオート不要信者なんかからは目の敵にされて、買いもしないのに色々文句付けられるわけです。

曰く、意思・意図が反映できないとか直感的でないとか…そんなことは重箱の隅をつつけばいくらでも文句は出てくるんですが、T80はそれに加えて動作速度が遅かったり操作系統がイマイチ練れてなかったりと隙が多かったんですよね。

一応、色々弄れそうですが…

で、初期のオートフォーカスなんで遅い上に価格も高めなんで、マニアな方々にはもちろん、ファミリー層へもそれほど売れなかったみたいです。

多少はマニュアル操作を残しておけば、逃げ道が出来て言い訳出来たりしたんでしょうけど割り切り過ぎたのがいけなかったんでしょうね。

最新機能ってのは扱いが難しいです。

Tシリーズ共通のペンタ部

さて毎度のジャンク品です

で、今回のT80もヤフオクジャンクで手に入れました。

お値段は500円。

怪しいと思っていたんですが、バッチリ液漏れしてまして、電池室は漏れた液体でドロドロでした。

ちょっと酷い目の液漏れでした

まだ水分が残ってる感じだったので、多少はマシなのかもしれませんが結構大量に漏れてたんで、ひょっとしたらダメなのかもしれません…またか。

今になってT80を触ってみると(電池入れてないので動きはしませんが)なかなかイイ感じのサイズにまとまってるもんだと感心します。

結構小ぶりで、これでスピード早くて安かったらイイ感じだったのになぁ…って惜しい気持ちになりますね。

面白かったのが裏蓋のフィルムタグホルダー。

このカメラにこの装備ってのが面白いです

オートフォーカスなのに裏蓋に透明の窓が無くて中にフィルムが入ってるのが確認できません。

この時代の機種にしては珍しい古めかしさとオートフォーカスってのがなかなかにチグハグで面白いです。

何を隠そう今回は此処に惚れてポチっちゃったんですよね。

早々に電極磨いてやって使えるようにしてやろうと思ってます。

液漏れ以外は大丈夫そうです

 

 

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