雑食カメラマンの雑感記

神戸でフリーカメラマンをしています。写真やカメラのことを主に書いていこうと思いますが、たまに脱線します。よろしくお願いします。

グリップがベタベタ過ぎなヤツ CAMEDIAE-10

当時は高嶺の花でした

f:id:T_Kimurra:20200811233839j:plain

E-10て今でこそアレですが、当時は凄かったんですよ

最近デジカメ黎明期の機体にハマってる感がありますが、今回もそんな奴。

OlympusCAMEDIAE-10です。

2000年10月発売と云う前世紀の遺物です。

CAMEDIAってブランド名自体が懐かしさ溢れてるんですが、大きさとルックスに当時は大変憧れたもんです。

普通の一眼レフとは少し勝手は違うのですが、一眼レフ式のファインダーに35~140㎜(35㎜換算)F2~2.4の明るいレンズ、2/3㌅400万画素(有効390万画素)CCDを組み合わせたカメラ。雑いEVFを付けた機種が氾濫していた当時としては、とてもファインダーが見やすいモデルでした。

デザインの良さも特筆すべきところで、当時コンデジしか支給してくれない(しかも人数分が無い)小さな新聞社にいた私にとっては垂涎の的。欲しくても弱小新聞社は薄給なんでとても買えません。

いや、本当に欲しかったですね。

これさえあれば、他社さんが来てる現場でも恥ずかしくないのにーと思ってました。

一眼レフ?

f:id:T_Kimurra:20200811233940j:plain

Olympusってデザイン結構外さないですよね

見た目はゴツくてレンズ交換できそうな形をしてるんですが、もちろんのように固定式。

まあ、外付けコンバータがあるんで、広角側と望遠側には延長が可能ですし「ガチで撮るなら銀塩(これも懐かしい言葉)」とか言われたた時代からすれば問題ないレベルなんでしょうね。本体価格からしてお高い(当時の定価19万8000円!!)ので、そこらへんが落としどころだったのかもしれません。

当時の一眼レフもNikonはD1(無印)ですし、CanonからやっとEOSD30(30Dに非ず)が出たところ。レンズ交換式の一眼レフですら300万画素機が主流な時代に、400万画素のE-10は相当な高スペック機でした。

だからこそ高かったんですけどね。

結構出物が少ない

f:id:T_Kimurra:20200811234147j:plain

シンクロ接点も当時としてはポイント高い目です


センセーショナルとまではいかなくても、結構な知名度と(当時としては)高スペックを誇ったE-10ですが、中古で売ってる場面にほとんど出くわしませんでした。

理由としては「折角高い金出して買ったのにカスみたいな値で売れるかいっ!」って感じで手元に残してはるのかなーなんて、勝手に想像してました。

ある日、三宮のキタムラでジャンク籠に入れられた当機を見つけた時は驚きました。

珍しさもあるんですが、何よりもグリップがコールタール塗りたくったみたいにベトベトだったんです。今までで見てきた中で一番べとついてました。

手に取るのをためらうぐらいにベトついていたんで、どうしたものかと迷っていたら、後輩な同業者に見つかってしまったので、気恥ずかしさから一度は撤収。帰り道でやっぱり欲しくなったので引き返して、持ち帰ってしまいました。

お約束ですが…遅い

f:id:T_Kimurra:20200811234310j:plain

当時としては速かったんでしょうが、ピントも結構遅い目

まあ、20年も前なんで処理速度はお察しな感じです。

考えたら当時のPCがWindowsなら悪名高きMeの時代。遅いと言っても画面が真っ青にならないだけマシなのかもしれません。加えてEVFではないので処理中に固まったりしない分、ストレスは少ないのかもしれませんが、RAWで撮ってると驚くほど処理時間がかかります。フィルム時代の4×5でも、もうちょっと早く次の撮影に描かれるんちゃうか?ってぐらいに待たされます。後継モデルのE-20だったら高画素化(500万画素)の上、処理速度も速くなってるそうなんですが、五十歩百歩ってこういう時に使うんでしょうね。

人物とか撮るのは一発勝負です。タイムラグもあるんで、これは結構難しいですね。

ところでグリップは…

f:id:T_Kimurra:20200811234350j:plain

ベトベトだったグリップ。結局全部こそぎ落とす羽目に…

恐ろしいことにこの機種、グリップ全てが加水分解する「あの素材」で出来てました。

アルコールで拭いても拭いてもベタベタが取れない無限ベタベタ状態。

最期はカッターで剥がしましたが、実はフォーカスリングも同じ素材で出来ているという落とし穴も。

全部こそぎ取った後は随分と貧相な形になってしまいましたが、べとつくよりマシなので我慢が必要です。白い服なんて着れませんでしたからね。

まあ、機能に影響がないだけ良かったと思わないといけません。

そのほか使い心地なんかを少々

f:id:T_Kimurra:20200811234717j:plain

Olympusブルー」ってこの機種も入るんでしょうか?TIFF→JPG変換しただけです

レンズやCCDのスペックは前述の通りなんですが、当たり前ながらモニターが小さいのでアテにはなりません。まあフィルムでの撮影に比べたら、完全にアウトなのがその場(数秒後)にわかる分、トライ&エラーがしやすいだろう―って程度です。

因みにこの頃発売されたスマートメディアメモリースティックなどの独自メディア(主観)規格採用機は、大抵ダブルスロット。でも同時書き込みが出来ないという、ちょっと残念な子が多いんですが、この機種もご多分に漏れずって感じでダブルスロット(スマートメディアコンパクトフラッシュ。同時書き込みできず)です。縦しんば同時書き込みができたとしても片方のスロットがスマートメディアだったらお話にならないので、ここは「スマートメディアも一応使えるコンパクトフラッシュ機」って考えでOKだと思います。

レンズは明るいのもあってか結構いい描写します。2/3㌅CCDとは思えないほどボケますしきれいです。

この辺は当時のトップリーダーなOlympusの面目躍如ってところでしょう。

これで処理速度が早ければなぁ…

 

 

 

にほんブログ村 写真ブログへ
にほんブログ村