フィルムの入手が難しい110フィルムのカメラです
小学生の頃、叔父から貰った初めてのカメラが所謂ポケットカメラでした。
「ポケットカメラ」なんて呼び名も廃れて久しいんですが、110規格のフィルムを使うカメラの事をこう呼んでいたと記憶しています。
当時は祖父の家にそのカメラを持って遊びに行き、未だ京阪電車が走っていた松原通りや団栗の踏切で電車を撮って、藤井大丸前のイエローカメラへ現像に出すってのを何度か繰り返していました。
110フィルムは16㎜幅のフィルムなんで、35㎜フィルムと比べると大変画質が悪かったんですが、フィルム自体は剥き出しの35㎜フィルムと違ってカートリッジ式なので、フィルム装填ミスが無いので安心して使えたのを記憶しています。
画質が悪いんですが、手軽さとコンパクトさから一時期一世を風靡していて各社から様々なカメラが発売されました。
そのポケットカメラの最上位機種がPENTAXのAuto110です。
一眼レフのポケットカメラ
まあ、一時期のAPSと同じような流行りものって感じの110規格フィルムでしたが、流行りだすと凄いもので各社から玉石入り混じった色々な種類のカメラが発売されます。
中でもMINOLTAの110zoomSLRとこのAuto110は一眼レフ方式のポケットカメラ。
MINOLTAのはズームレンズ一体型の豪華版で、もはや何が「ポケットカメラ」なのかわからない位の肥大したカメラでした。
一方のPENTAX Auto110はポジケットに入らなくも無いようなサイズ感ですが、そこp底本格的なシステムカメラとして展開されていて、広角・標準・望遠の各店焦点レンズにズームレンズ、専用ストロボにワインダーまで揃ってました。
ワインダーの必要性云々は兎も角、別付けのフィルム巻き上げ装置は当時の子供心に刺さるもので、価格的にもレンズ三本にストロボ・ワインダーが付いたAuto110のコンプリートキットが50㎜付きのAE-1よりも安いぐらい、標準機キットなら同じPENTAXのMXに標準レンズ付けたものと比べても半額以下です。なかなかに魅力的な商品だったんじゃないかと思います。
安物買いの銭失いーなんて言葉も過りますけどね…
機能的には非常に心許ない
流石にポケットカメラってだけあって、色々と簡略化されています。
先ず露出制御は開放・中央重点測光&プログラムオートって事ですが、基本的に絞り値がF2.8固定なんで実質的に絞り優先AE(絞り値は選べない)です。
レリーズボタンを半押しするとファインダー右下に緑色LED(F2.8・1/30秒以上)黄色LED(手振れ警告)が点灯。撮影中も撮影後もシャッター速度は全くわかりません。
なかなかスパルタンな仕様です。
発売当初は高感度のフィルムも無い時代だったんで、ブレブレな写真が大量に出来上がりそうな予感がします。
そう云った失敗の回避って意味でも専用ストロボは必須ですね。
あと、フィルムの巻き上げは2回巻き上げ(LeicaM3みたい…)なんで、それが面倒な方にはワインダーは良いアイテムかもしれませんね。
基本的にピント合わせたらシャッターボタンを押すだけってカメラです。
それはそれで良いのかもしれません。
因みにピントを合わせる事すらできないパンフォーカスレンズも発売されてました。
それはそれで…
まだ撮れることに驚き
スッカリ廃れてしまった110規格フィルムですが、未だにコアな愛好家は一定数居られるらしく、未だにフィルムが販売されていて現像も出来るとか。
90年代に鳴り物入りで登場したAPSフィルムが今ではフィルムの販売も終了してしまってAPS規格のカメラが文鎮と化してしまっているのと対照的です。
微妙なチープさってのがウケてるんでしょうかね?
でも今回手に入れたAuto110のお値段は1円。
1円で入札したらそのままオークションが終わってしっていました。
送料は1500円ほどしましたけどね…
なんとも懐かしいカメラなので、街でフィルムが売られているのを見つけたら試写してみようかなって考えてます。
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