ヤフオクってヤツは…
時は1985年、α7000の大成功を受けたMINOLTAは上位機種のα9000を発売。
オートフォーカスの一眼レフ市場でCanonやNikonがコンシューマー向けの機種で探りを入れているときに「プロ用」と称して登場したαシリーズの2番手です。
まあ、Nikonは初っ端が実験機みたいな形の「F3AF」だったんで、ちょっと違うかもしれませんが…
このα9000、基本スペックはプロ用を名乗るだけあって充実しておりまして、最高速1/4000sec、シンクロ1/250secの高規格なシャッターユニット、基本は手動巻き上げ・巻き戻しながらも外付けで秒間5コマを巻き上げるパワフルなモータードライブ、モータードライブがデカすぎる人用に秒2コマのオートワインダーも用意するなど、CanonのF-1みたいな手の込みよう。
測光方式もOlympusOM-4やCanonT-90のようなスポット測光にハイライト/シャドーコントロールも備えるという充実ぶり。
これらの機能を備えたボディにα7000でヒットしたオートフォーカス機構を組み合わせ、更にαシリーズの豊富なアクセサリーも共用できるという、当時の市場要求に可能な限り答えたようなカメラでした。
まあ、何と言ってもデザインが…
とは言っても、80年代中期の製品。
オートフォーカスの精度とスピードなんて使い物にならないレベルですよね。
その昔α7000を所有していたのでその辺りは理解してます。
それを補って余りある基本スペックの高さが魅力な本機なんですが、基本モータードライブやワインダーは単体では手に入らないと思って間違いありません。
どちらかと言うと巻き上げレバー&オートフォーカスと言う妙な感覚を味わいたいというのが本音です。
あとはデザインですよね。
この頃のMINOLTAは商品が売れまくっているからかとても勢いがあって、どれもそれなりに良いデザインなんですが、その最高峰がこのα9000だと思ってます。
直線を基調としたデザインは丸っこい最近のNikonやCanonを見てると新鮮です。
高校生の頃からいっぺん使ってみたいと思う機種でした。
定番のヤフオク
ただ、そこまで必要性が無いもんで「ジャンクで転がってたらいいな~」ぐらいに思いながらン十年。縁が無かったんですね。買うことはありませんでした。
中古やジャンクがあっても微妙に高い値段なんでスルーしっぱなし。流石に動作未確認なカメラに5000円は出せません。
そんな時に、ふと「α9000ってヤフオクでナンボぐらいだろう」なんて思いついたのが運の尽き。
動作未確認とされたα9000がボディのみ820円で出ていたのでとりあえず入札したら誰も入札してこなくて、そのまま落札してしまいました。
なんだか既視感のある流れです。
商品到着
前回落としたCOSINAのCT9もその前に落としたRicohのXR-7Mk2も、曲がりなりにも動いたので油断してましたが、今回はなかなかのツワモノでした。
先ず到着した商品を梱包から出すと、マウント部からポロっとファインダースクリーンが落ちてきました。
「嗚呼、此処からダメか…」
なんて思ったんですが、落ちたファインダースクリーンは意外にもすんなりとハマったので一安心。でも画面の真ん中左上に大きな黒点があります。ファインダースクリーンが汚れていると結構モチベーションが下がるので残念なところ。
そんな状態で送られてきたってことは、何だか嫌な予感がしてきます。
気を取り直して付属の汚いストラップを捨て、アルコールで各部を磨いて動作確認しようと電池を入れてみると、シャッター速度と絞り値が出るはずの液晶表示に「ISO100」の表示が点滅。どこかおかしいのかな?ーと「α9000 ISO100点滅」でググってみると、フィルムカウンターが途中でフィルムの感度を読み取る「DXコード」が読み取れないとISO100の表示が点滅して知らせてくるそう。
成程と今度は裏蓋を開けてカウンターをリセットしてみたんですが、裏蓋開けても閉めてもカウンターは「14」のまま。ジャンクでよくあるカウンターの故障みたいです。
でも、カウンターが戻らないとISO100は点滅したままだし、カウンターの故障ならばらして治さないといけないし…
どうも、これは電気系統か機械系統かどっちが壊れてるかわからないタイプの故障みたいです。厄介ですね。大変厄介です。
結構ワクワクしてイルフォードのHP5を用意して待ってたのに、これでは…
また文鎮が増えてしまいました。
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