標準レンズ不在の為
以前にご紹介した撒き餌レンズこと50㎜F1.8Ⅱが落下事故を起こして暫く、標準レンズが不在という時期がありました。
「標準レンズ」は無くても「標準ズーム」はあるので、仕事とかだと困らないわけですが、どうも「ケツの座りが悪い(長渕風)」んですよね。
とはいえ、同じ撒き餌レンズを買っても面白くなく、かといってEF50㎜F1.4はイマイチ食指が動きません。EF50㎜F1.2なんて予算的にもサイズ的にもオーバーです。
そんな時に出たのがEF40㎜F2.8。
所謂「パンケーキレンズ」ですね。
パンケーキの系譜
高校生の頃はGN Nikkor45㎜F2.8なんていう古典レンズを近所の写真屋さんに借りて使ったことはありましたが、自分で所有するのは初めてのこと。
RicohのXR45㎜F2.8とかMINOLTAのMDRokkor45㎜F2等々、一時期は各社パンケーキレンズをラインナップしていましたが、その当時はほとんど製品化されておらず、ミラーレス用を除くとほとんど見ませんでした。
パンケーキレンズってのはレンズ構成を始めとする構造上、F値があんまり明るくないのでボケ云々いうなら定石通りに50㎜買っといたほうが無難です。
が、久々に出た(当時)新型のパンケーキレンズってのを試してみたくてついつい購入してしまったのでした。
何故か箱がデカい
購入して驚いたのは何より箱がデカい事。
捨ててしまったんでお見せできないんですが、製品の容積からすると二倍以上の大きさになる50㎜よりも箱が大きいので、ひょっとしたらデカいのではないかと訝しんだほどデカかったです。
勿論箱の中身はスカスカで、箱の中央にこじんまりと40㎜が鎮座していたのでした。
使ってみると
実際に写してみると、そこそこ優等生なレンズなことに驚きます。
勿論40㎜でF2.8なんていうスペックなんで、絞りを開けて被写体を浮き上がらせたりなんてのは効果的ではありません。
「35㎜よりもパースが出にくい準広角レンズ」って感覚がしっくりきますね。
実際、集合写真とか風景とかに使うとシャープさは抜群です。
何よりも現在の技術で作られたパンケーキレンズだからか、逆光にはめっぽう強いのも地味な用途で使う上では嬉しいです。
勿論小さいこともメリットで、何となくボディキャップ代わりに付けていると、何か近い用途のレンズに不具合が起きた時も安心ですので、保険代わりになります。
欠点なんかは
人間って勝手なもんで、大きな描写の破綻も無い代わりに面白い描写をしないのが欠点といえば欠点かもしれません。
実際、仕事の先輩カメラマンにこのレンズの評価を聞かれたときに、大満足の太鼓判を押して評価したんですが、あと聞くと「触ってみたら面白くないレンズやったから、NOKTON classic 40mm F1.4にした」なんて言われました。
そういやこの人SONYに移行中やったなーなんてことを思い出して、少々残念な気持ちになりましたが、やはり向き不向きはあると思います。
因みに彼は40㎜をポートレイト用に使うつもりでいたらしく、そりゃ向いてないよなと納得した次第です。
現状
結局、今ではSTMの50㎜を買い足したんで、40㎜の出番は激減してるんですが、集合写真の仕事があるときは必ずカバンに忍ばせていtる一本です。
ただ、余りにも形が小さいため、圧倒的に威圧感が足りないのが使用上の欠点といえば欠点です。
あと、今後EOSR系にしたときには、レンズの厚みよりも厚さのあるマウントアダプターを噛まして使うことになるので、全く「パンケーキ」では無くなるのが残念なところだったりします。
でもまあ、シャープさを求めるなら買って損が無い一本かなーなんて思います。
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