名レンズと言われた90㎜マクロF2.8
一昔前の話になりますが、使っていたEF100㎜F2.8マクロ(初代)のAF/MF切り替えスイッチの部品が崩落してしまいました。空いた穴から漏光してフレアが出たりと流石に使えなくなってきました。ジャンク品ってだめですね。
メーカーのサポートもとっくの昔に終わってるので、新しいマクロレンズが必要となって買ったのがTAMRONの90㎜F2.8マクロでした。
本当は純正のEF100㎜F2.8Lが欲しかったんですが、使用頻度を考えたらそれほど出費しなくてもいいかなと思ったので、コストの安いマクロを探してたどり着いたのが表題のTAMNRON90㎜F2.8マクロ。つまりSP AF90mm F/2.8Di [Model 272E]ってやつです。
ロングセラー商品
安物サードパティレンズメーカー的な位置づけだったTAMRONの地位を向上させたのが90㎜マクロ。
まだアダプトールって各メーカーに対応するマウントアダプターみたいな規格でレンズを発売していた頃に登場した90㎜F2.5マクロ(52BB)がエポックメーキングな名レンズでした。
誰が言い出したのか「ポートレートマクロ」なんて二つ名まで頂戴して、通常撮影にもマクロ撮影にも使える万能レンズとして一躍人気となりました。
私もカメラを始めて三本目のレンズに最適ーみたいな煽り文句に踊らされて、高校生の時に買ってしまいました。
初めは大変使い難い印象でしたが、使い込むごとに楽しくなってくいいレンズでした。
52BBはハーフマクロだったんで、本格的なマクロ撮影はできませんでしたが、まあ花でも撮らん限り等倍って使うことないんで気にはなりませんでしたけどね。
頻繁なモデルチェンジ
人気商品だけあってTAMRON90㎜マクロのモデルチェンジは頻繁でした。
前述したアダプトールマウントの52Bの発売が1979年。
外装をマイナーチェンジした52BB時代が長く続いた後、1996年にはAF化したうえ等倍まで寄れるようになったSP AF90mmF2.5 [Model 152E]へとモデルチェンジ。外装がプラっぽくダサくなったのとマウント固定化で興味が一気に失せたのを覚えてます。まあ、当時は学生だったんで買い替えなんて夢にも思いませんでしたけども…
その後、2004年にDi(Digitally Integrated Designというデジタル一眼レフカメラの特性に配慮した光学設計)化がなされた新モデルのModel 272Eにモデルチェンジ。
デジタルでも安心して使えるようになりました。
その後、2016年に超音波モータの採用や手ブレ補正機構を備えたSP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017)へと進化。
進化したら単価が上がるので、こいつは見送って前モデルの272Eを購入した次第です。
マクロだけど描写は優しく
ポートレートマクロとか言われてただけあって、描写は柔らかめ。
このあたりは好き嫌いが分かれるところかと思いますし、昨今の傾向からいくとパキパキな描写のレンズが好まれるので、旧モデルだけあって古臭い描写だと思われるかもしれません。
ブツ撮りメインだと純正のマクロ以外に選択肢はないように思えますが、私の場合は雑多な撮影をするので、こういった優しい描写(好意的解釈)のレンズも悪くないと思ってます。
多分最新型のModelF17だと今風のぱきっとした描写だったんでしょうけど、多少の差異は現像でなんとかすれば良いんじゃないかと思ってます。
ただ、逆光に弱いのは困ったもんで、ちょっと厳しい光源下だとハレーションが盛大に出るので、其処だけは純正や新型が欲しくなります。
もう一つ欠点を上げると、AFの駆動モーターが昔ながらの円弧モーターなので、煩い上にフォーカス迷うので喧しいことこの上ないです。
一緒の現場に入ってた動画屋さんに「メチャメチャ凄い音しますね」なんて言われてしまうほど。確かに動画には使えないAFですわな。
でもまあ、軽さと安さと優しい描写はそんな欠点を補って余りあると思ってますので、今日もお仕事に持っていくメインレンズの一本として頑張ってもらってます。
昔からの総評通り「安いのにそこそこ使える万能レンズ」です。