1990年代にコレって…ソビエト色々スゴイです
先日入手したZENIT122。
なかなか個性的なヤツで、オート関連の機能は皆無。シャッター速度はB.1/30~1/500secと恐ろしく低性能。サンキュッパで有名(?)なRicohのXR500よりも劣る性能ってのがステキです。
共産圏ってこういったのが10年単位で生き残れるから凄いなって思いますね。
ただ、FEDやZorkiみたいに単純なので故障し難いーというより故障するところが少ないので何となく壊れないでいるんじゃないかと邪推します 。
複雑な旧CONTAXをコピーしたKIEVは壊れない個体が無いことで有名ですし、同じく旧東ドイツ系PENTACON6のコピーと思しきKIEV60やらHASSELBLADコピーのKIEV88やらも普通に使える個体を探すことが難しいので有名です。
多分ソ連の限界ってこZENIT122ぐらいだったんでしょうね。性根は第二次世界大戦中のB-29を被弾痕までコピーしたTu-4を作ってた頃と変わらんのでしょう。多分。
とすると、T-34/76みたいなオリジナリティあふれるものがZTNIT122ってところなんでしょうかね?たしかにイッパイ作れそうです。それはそれで…
話は戻って…
このZENIT122、生産・販売は1990年代まで続けられたそうですが、開発は1970年代なんだとか。
まあ、そりゃそうだろうなってうなずける箇所がチラホラあります。
シャッタースペックとマウントは前述の通りなんですが、ISO感度のレンジがISO50~400+1/2相当まで。
って言うか、200と400の間が一つしかないって何やねんって思いますが、謎の適当な区切りがソ連機らしいです。まあ、露出計の精度もアバウトっぽいんで必要十分ってところなんでしょうね。まあ冷戦時に東側諸国内でKodachrome64とかPLUS-X Panなんて使う人はいなかったでしょうから、要らん機能って言えば要らん機能なんでしょう。1/3刻みにすることがそれほど手間とは思えないんですけどね。
あと、フィルムカウンターが裏蓋を開けても戻らなかったんで、初めは故障かと思ったんですが、シャッターボタン上にある謎のスイッチを押したらカウンターがリセットされました。
要らないところが凝ってます。
どう考えてもそんなスイッチ付けるより裏蓋開けた時にリセットされる方が親切だと思うんですが、彼の国の人たちの考えは時折想像の向こう側へ行ってしまいます。
謎の凝った機能
意味の分からない点で言えば、セルフタイマーも結構謎な動きをします。
一見、何のために着いているのかわからないダイヤルを回すと「ジィ~」とゼンマイを蒔く音がします。
で、ボディ右手側のボタンを押すとセルフタイマーが作動してボタン下の枠の中にある緑色が赤色に変わったらシャッターが切れます。
別に普通のレバーで良くないか?なんて野暮なことを思いますが、今になってみてみるとちょっと楽しい遊び心あるセルフタイマーです。



あと、凝ってるところで言うと、フィルムの巻き上げを小刻み巻き上げで出来ます。
横走りの布幕なんていう、1970年代でも絶滅寸前だったと思えるシャッター幕なんで、小刻み巻き上げが可能なんですが、ZENIT122は巻き上げ角が大きいのもあって、小刻み巻き上げできるのは重宝します。
極寒の国なんで、真冬の気温はバナナで釘が打てたりしそうな温度まで下がると聞きます。そういったところではいろんなものが凍り付くので、拙速にワンアクションでフィルムを巻き上げたらカメラの中で凍り付いたフィルムが千切れたりすることも考えられるので、敢えてこの方式を遺したのかなんて想像します。
そう考えたら旧来然としたモノがそのまま残っているのも頷けますね。
まあ、良い方に考えすぎなのかもしれませんが…
因みにこの個体は
ちなみに今回落とした個体は巻き上げレバーのプラスチック製指当てが付いていない状態でした。極寒の中酷使されて割れたのか、はたまた多湿なこの国の風土に負けて劣化したのかわかりませんが、金属製のレバーが剥き出しです。
気になるのはその形状。
何故か先端の部分が鋭利に尖ってるんですよね。ちょうど目に当たりそうなぐらい。
ここら辺は丸みを帯びさせるべきだと思いますが、他に用途でもあるんでしょうかね。
使うときちょっと怖いんで、指当てをDIYせにゃなりません。
露出計用の電池が入る部分も何回まわしても開きませんし、なかなかの難物です。
でも、ソ連製で曲がりなりにもきちんと動くってのは奇跡なのかもしれませんから、騙し騙しで使っていこうかなと思ったりしています。
ソ連機って機能やら精度なんかはアレですが、結構楽しいです。
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