雑食カメラマンの雑感記

神戸でフリーカメラマンをしています。写真やカメラのことを主に書いていこうと思いますが、たまに脱線します。よろしくお願いします。

Nikon F-301

悪い癖が…

 

そういえば、ジャンクカメラ漁りもそろそろ飽きてきたかな―と思っていた頃。またもや散財してしまいました。

 

ジャンク籠から発見


その日の前日、多分露出計以外は完動と思しきペンタックスのSPFとSPⅡ(各1000円)を逡巡無く見送る事が出来たことで、ジャンク漁りは卒業。もう買わないなんて思っていたのですが、ハードオフのジャンク籠でF-301を見つけて鹵獲してしまいました。

言い訳を言えばその昔、高一で生まれて初めて手にしたバイト台を握りしめ、名古屋は栄のカメラ屋でNikonFM2を購入しようとした際、ショーウィンドウの中に大幅値引きのプライスカードと共に鎮座するF-301が見え、不人気故のプライスに(FM2やめてコレにしたら中古でレンズ一本買えるやん…)と、心がグラついて以来、気になっていました。
その思い出の品が980円だったのでついつい悪い癖が出てしまった次第です。
しかも、裏蓋はマルチデータバックMF-19!

気付けばレジで会計している自分が居ました。

まだまだ修行が足りんです。

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タグの触書は不動品でしたが、弄ってみると明らかに電池液洩れによる接点腐食だったので、治ることを確信してのお買い上げです。
不良個所自体はサンドペーパーで腐食部分を削ったら拍子抜けするぐらいあっさり治りました。シャッター幕や各部の動きも好調。懸念していた回路部分への汚染も無く快調そのもので、十分実用に耐えます。これが30年前なら物凄くエエ買い物なんですが、時の流れは残酷です。

そういえば、100均の単三電池やLR-44が普及したころから液漏れ故障が増えた気がします。長時間保管するなら安物電池入れっぱなしは危ないですね。

 

F-301

 

ご存知かとは思いますが、F-301はAF機F-501のベース機として1985年に発売。ボディ内部にAFモジュールが入と勘繰られる部分が空洞で、将来のAF機(F-501)のベースではないかと噂されていたのも有名な話です。実際そのままでF-501は出てきましたが…

世間的に試作機みたいな扱いですがカメラ自体はとてもオーソドックスな作りで、シャッター速度は1~1/2000。露出制御はプログラムラインの異なるプログラムAE3種と絞り優先AE&マニュアルです。殆どのニッコールレンズに対応するという地味に良いカメラでした。

当時の高校生が長巻のトライX詰めて撮るには十分な性能なんですが、若いころはとかくスペックを追いがちなんで「ぱっとしないカメラ」って印象でしたね。1/8000シャッターとか巻き上げ秒間6コマとか、当時は当時でスペック競争が熾烈だった気がします。

加えて裏蓋のMF-19ですが、所謂「マルチデータバック」とかいう多機能のデータバックで、各種データが写し込み出来るほか,AFトリガー機能(ピントがあうとデータバックからシャッターがレリーズされる)、インターバルタイマー機能(一定時間間隔で自動的にレリーズをおこなう)-などの機能がありますが、今となっては使うことがないモノばっかり…しかもF-301にはAFがないので、この組み合わせではAFトリガー機能が使えません。

操作方法は昔のデジタル時計のような小さな液晶を見ながら、爪楊枝でしか押せないようなボタンを押して設定することになります。使わせる気ないのかなって思わせるぐらい使いにくいです。

 

因みにこのマルチデータバックMF-19ってヤツはマイナーなのか、検索しても説明書や使い方が出てこなかったので、正確な操作方法がわかりません。なので、純粋に飾りでしかありません。まあ、本体含めて使わないから別にいいんですが、なんだか往時の夢が詰まっている気がして…

 

液漏れ再び

 

と、ここまで書きながら弄ってみると、どうも液漏れが再発したらしく、端子が妙なモロモロで汚染されてました。

上記の通り、安物電池がマズいと思って某P社の電池を入れていたのですが、一本だけハズレだったみたいで少し漏れてました。

やはり長期保存には電池を抜くのが正解みたいです。皆様もお気を付けください。

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