【定着不足】
先日の項で偉そうなことを書いてましたが、フィルムの現像って結構面倒臭いんですよね。
薬品作る→寝かせてから温度管理→フィルムをリールに巻く→現像→水洗→乾燥→6コマごとに切ってスリーブに入れる→ファイリング
ってのを延々としなきゃならんので、丸一日潰れます。
またPCで画像処理する時みたいに、ちょっと処理時間あるからコーヒーでも飲もう―なんて中断が出来ないことが多いので疲れますし、時間が気になって他のことができなかったりします。
ステイホームな頃ならある意味ピッタリな時間の潰し方かもしれませんが、なかなかそんなイレギュラーな事象に合わせて撮り貯めるなんてできないのが現状。因みに今回のネタはちょっと前のお話なんで、ちょうど仕事の閑散期にやらかしました。
そう、猛暑の夏に薬品ほったらかしにしとくとエライ目にあいます。
事の発端
その日は久々に溜まったモノクロフィルムを現像してました。
とりあえずT_MAXが数本とトライXが数本なんで、D-76で現像。
マイクロドールXの3倍希釈現像も考えたのですが、手持ちのD-76の使用期限が切迫しているのと、T_MAXで何撮ったか忘れるほどだったので、とりあえず標準的なヤツで現像します。
薬品は大体現像する直前に溶くのですが、定着液は粉のモノが売ってないので濃縮液を薄めて使います。今回もフジのスーパーフジフィックスって一般的なヤツが半分ぐらい残ってたのでそれを使ってました。
毎回、一通りの手順が終わると水洗の段階でネガを確認するのですが、この時点で異常が発覚。
何か黒い…
もしやと思って、他も見てみると結構黒いままなんですよね。
一応、単なる酢酸の停止液は生きてるので現像自体はストップしていたのが不幸中の幸いでしたが、このままだと非常にまずいので、急いで蓋をしてその日は初めの4本で現像終了。
定着できてなった分はとりあえず水洗して蓋したままヨドバシで定着液を注文します。そして、注文した定着液が来るまで2昼夜放置プレイ。
こりゃ4本全部駄目になったかなぁ…と、思いながらも、いつもより入念に定着処理して無駄かもしれない最後の足掻きをしたら、想像した最悪な状態よりもまあまあマシな具合に無事でした。ヨカッタ。
定着液ってヤツは高温で放置すると成分がダメになるみたいで、粉ならよかったんですが濃縮液なんで夏の暑さにやられたみたいです。薬品は冷暗所に保管しないとダメなのはわかってたんですが、うっかりしてました…
ネガの具合は
一応、形にはなったので胸をなでおろしていたのですが、T_MAX故か、ベースの色がカラーネガを無理からモノクロ処理して失敗した時みたいになっていて何だか気持ち悪いです。敢えて言えば放っとくと黒くなっていきそうな落ち着かなさ。
よく見たら、ちょっとだけソラリゼ-ションっぽくもなってますし、やっぱり最初の時に結構感光してしまったみたい…
悲しいことに「シャープネス(鮮鋭度)が極めて高く、粒子も極めて細かく、解像力も非常に高い」なんてT_MAX100の謳い文句は、全て虚しいものになってます。
ただ、幸いなことに致命的な像の喪失は無いみたいで、そこは助かりました。
なので、フィルムをスキャンして修復すれば、とりあえずは何とかなりそうな感じ。Photoshopで(仕事用じゃなきゃ)見られるレベルまで持って行けばOKです。エエ時代になりました。
中に写っていたのは…
そんな散々なアガリのネガですが、写っていた中身は昔言われた「カレンダーフィルム」ならぬ「年表フィルム」的な感じのものがちらほら。
おそらくMinoltaのα9xiで撮ったと思しきネガは、1コマ目と最終コマで子供の年代が大きく変わってました…
始めの方に写っている息子02はコマつきの自転車乗ってますが、最終コマ辺りでは随分と大人びてます。見返してみると大変貴重な記録なので、もっときれいに残せたはずなんやけどーって思うととても残念です。
もうちょっとフィルムでも撮らないとだめですねぇ…