CONTESSA
旅先でイランモノを買う
ちょっと旅行へ行くと、土産が欲しくなりますよね?
私は、お菓子やら名産品なんかを人への土産に、変なモノを自分への土産に買ったりします。
極端な話、自分へは石ころでもいいんですが、この時は大枚叩いて焦ってドツボにハマって散々でしたが、今となってはエエ思い出です。そのモノってのは、例によってカメラなんですが丁度その頃は色々とハッチャケてまして、思い返すとアレな頃でした。
それほど前だとは思って無かったんですが、思い起こせば20年前、若気の至りですが結婚前の嫁と一緒に会社を辞め、一緒に一か月ほどベトナムへ行った時のことです。
当時、NikonのD1は出てたものの、まだまだフィルムの全盛期だったんで、CARL ZEISSと蛇腹カメラにハマってました。
そして、当時のサイゴンでは町の中心地であるドンコイ通りにカメラ屋が軒を連ねており、撮った写真をカメラ屋へ現像に出して翌日受け取るーということが可能だったので、趣味を兼ねて良く利用していました。
勿論、カメラ屋なんでカメラも売ってます。
ベトナムは当時、今ほど開放されてない状態だったので売ってるカメラもほとんど中古品。為替レートも安かったのでまともに動けばお買い得だったんです。
まともに動けば…
所謂スプリングカメラ
その昔、携帯性を考慮したスプリングカメラってのがブームでして、当時のカメラ誌にも蛇腹通したら描写が柔らくなるとか何とか書いてましたので、大丸の中古カメラ市でスーパーイコンタを買ってしまうぐらいにあの時はハマってました。
当然、その気持ちのまま旅にも来てますから、ブツがいっぱいあると残金を心配しなきゃならない旅先でも食指が動いて仕方ないです。予算的に考えて、あまり高いのは無理なのでコダックのレチナⅡa辺りを買おうかと思っていた矢先、ちょっと欲しかったCONTESSAを発見。後先考えずに買ってしまいました。
衝動買いの挙句
宿に帰って同作確認してみると、案の定というか明らかに挙動がおかしい。フィルムが巻けないと云う基本的な不具合。何で気づかんかったんや当時の自分…
これはイカンーと思ったら普通は返品するのですが、何をトチ狂ったか別のカメラ屋に修理に出すという暴挙に。多分日本で買いなおしたりするより現地で修理したほうが安いからって浅い考えだったんでしょうね…
翌日、カメラ屋の中でも「REPAIR」って看板を出しているカメラ屋に駆け込んで修理を依頼してしまいました。
胡散臭そうなオッサンにたどたどしい英語で症状を訴えて修理をお願いすると、笑顔で「OKOK。3日で修理しといてやるZe(意訳)」と、頼もしいお答え。
もうね、オッサンが神様に見えましたよ。ホントに。
「旅先で買った西独逸製のカメラで恋人(当時)を撮る」なんて、何の小説ですかって感じで話で、早く撮りたくてウズウズしてました。
終わらない修理
で、案の定というか何というか4日経っても修理が終わらない。
催促しにカメラ屋へ顔を出すと「もうちょっと待ってくれ」なんて言われるんですよね。暇そうなのに…
結局、サイゴンを出発直前の朝になってようやく修理が完了。
一応、店先で動くようになったのを確認したら、カメラを慌ただしく受け取って次の町へ移動しました。
で、次の町で宿について動作確認してみると、巻き上げが止まらない止まらない( ノД`)
シロウト目に見ても部品抜いただけです。ありがとうございました。
結局、ベトナムでCONTESSAを使って撮影するーってのは叶いませんでした。
欲張らずにレチナにしとけばよかったなぁーとか、ハノイでまた別のカメラに目移りしてしまったり-とかあるんですが、それはまた別のお話…
その後
結局、CONTESSAは碌に使えずに帰国の途へと就いた訳ですが、帰国後諦めきれずに阪神梅田の修理屋さんに持ち込んでみました。
診断は「何故か部品がごっそり抜かれてるから修理できない」と、悲しいお知らせ。
何となく察してはいましたがいざ言われるとキツイです。CONTESSAは文鎮確定です。
その後、CONTESSAは何かの撮影で小物として使ったほかは、20年ほどリビングのキャビネットに鎮座しています。
軽挙妄動の戒めとして…