雑食カメラマンの雑感記

神戸でフリーカメラマンをしています。写真やカメラのことを主に書いていこうと思いますが、たまに脱線します。よろしくお願いします。

Leica落下

Leicaが欲しかった

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落っことしてしまったM4-2

 

今は使う機会も激減(ほぼ消滅)しましたが、ウチにも一応ライカがあったりします。

残念ながら今のデジタルLeicaではなくてフィルムのヤツですが…

 

買ったのはまだ結婚どころかフリーになる前。仕事に会社支給のカメラを使ってたのですが「カメラマンを生業としているからにはLeicaぐらいは持ってないとね」みたいなノリもあって、到底仕事に使わないカメラをボーナス叩いて買ったのでした。

 

まともなレンジファインダーLeicaしかないという現実


思い起こせば15年ほど前、社会人2年目で貧乏な私が、Leicaを買うぞ!!―なんて思い立ったものの、今も昔もLeicaは結構お高い。

ご存知かとは思いますが、Leicaって大きく分けて

 

①ネジマウント(L39マウント)のバルナック型

②上記発展型のM型

③一眼レフのR型

 

の、3種類があります。

 

Leica買おうとした動機が、古いニッコールの50㎜F2を使うため―なので、このレンズが着くのは①と②。

因みにそのレンズを当時付けていたのは、古いCANONのL2型だったのですが、このカメラは最短撮影距離が1mなうえにファインダーも見づらくて、更にはシャッターの最高速度が1/500までなので、色々と不便してたのです。

ですので、今よりも環境をよくするなら②のM型が必須。ほかのメーカーを見てみても、レンジファインダーでまともなものと言えばLeicaしかないのが現状でした。

更には当時マグナムフォトが好きで、Elliott ErwittだとかHenri Cartier-Bressonだとかに憧れていたーなんてミーハーな動機もあります。

 

予算内で買えるもの

 

乏しい予算の範囲内で買えるM型としては、距離計の無いM1か、襤褸襤褸でどこか不具合ありそうな初期型のM2か、カナダ製のM4-2辺り―と云った状況でした。

余り選択肢はありません。

 

フィルム時代に距離計無しってのは厳しいですし、距離環(しかもフィート表示)だけ見て50㎜でピント合わせられるって不可能に近いですよね。

なのでM1は無し。

 

M2ってのは、いかにも苦学生っぽい立ち位置&井出達で結構惹かれましたが、残念なことに初期型のモノしか在庫が無かったのです。

初期型は巻き戻しの際に巻き戻しボタンを押しながら巻き戻さないといけない仕様で、巻き戻しがノブ式のM2では大変不便そう&恰好悪い。加えて貼革(グッタペルカと言うそうな)が剥がれかけていたりしたので不安です。

 

最期のM4-2が一番新しくて比較的信頼できそうですが、このカメラはマニアの間では評判が悪かったんですよね。

先ずはドイツ製でなくてカナダ製なところがアカンらしいです。マニアの方々は出自に拘りますからね。

でも、色々な理由で高値がついてる軍用Leica・KE7Aはカナダ製です。寄ってカナダ製でも問題無し。

 

あと、このカメラが製造されたのが、ちょうどLeica社の経営が傾いていた頃なので粗製乱造な個体が多くて質感が低いという話。

私はちゃんと動きさえすればOKなんで、動作が滑らかでなくても全然大丈夫。いくら動きが硬いって言ってもCANONのnewF-1よりは絶対に滑らかなはずですからね。故障云々は使ってみない事にはわかりません。

更には、製造年月日が自分と近いのもあってシンパシーを感じたので、ファーストLeicaはM4-2に決めました。

Leicaは壊れると恐ろしいほどの修理代がかかるので、壊れないか不安でした。

が、どうやらコレはアタリの個体だったみたいで、購入して以来故障らしい故障は一回もありませんでした。

荷物の関係でVietnamには持って行きませんでしたけどね……持ってけば良かったな

 

M4-2落下事故


折角、ボーナスつぎ込んで買ったM4-2ですが、デジタルばかり使うようになった昨今ではあまり使わなくなっています。

ある日、何となく思いつきで持って出た時、妻に同機を持ってもらって車で移動していたのですが、降りる際に彼女の手が滑って落下事故を発生してしまいました。色々用事で荷物も多かったので、カメラまで持ってもらうのは無理があったようです。


只管謝る嫁に大丈夫だと宥めつつ、被害状況を確認すると、50㎜のレンズフードがひん曲がって根元からポッキリと折れていました。膝上ぐらいからアスファルトに落下したのですが、不思議とガラス類は全て無事で距離計にも不具合は見当たりません。どうやら凹んで折れたフードが身を挺してショックを吸収してくれたようです。


元々、仕事で使うものではないので、ダメージ的には限りなくゼロなんですが、思いのほか妻が凹んでしまって複雑な気分です。

 

折角無事だったので、もうちょっと使ってやらないといけませんね。