Ricohのコンパクトはハズレが無いそうで…
その昔、写ルンですが発売された辺りの話なんですが、その当時小学生だった私はカメラが欲しくてたまらない病でした。
朝の5時前に起きて京都駅まで行き、九州から来る寝台列車を見に行ったりイベント列車が来るという噂を聞いては駅まで馳せ参じたりと、今考えたら結構ディープな鉄道マニアだったのかもしれません。
勿論上には上がいるもので、駅に行くと大きなカメラを持った大人たちが屯していて、フラッシュが無くてもシッカリと撮れるイチガンレフってのはスゲェもんだと子供心に羨ましく思っていました。
当時は「写るんです」を買うか、家のオートボーイを使うかしかない状態でしたので、レンズがデカい(ここ重要)カメラに対するあこがれってのは結構なもんでした。
オートフォーカス
コンパクトで一般向けのカメラにAFが付いたのは、1977年11月に発売されたKonicaの「ジャスピンコニカ」C35 AFからだったと記憶しています。
それ以前のカメラは、廉価版が「人」や「山」の絵に指標を合わせる「ゾーンフォーカス」式。少し高級なのになるとLeicaなんかでお馴染みの二重像合致式の「レンジファインダー」式でした。
初めは二重像合致式の意味が分かりませんでしたね。
なんでファインダーではちゃんと見えてるのに合わせないとイカンのか?って具合に。
一眼レフなら即座に理解できたんでしょうけど、当時はピントを合わせるって行為自体が謎でしたね。
代替品
話が脱線しましたが、ウチにあったオートボーイはCanonのコンパクトカメラ。
オートフォーカスなんですが、ボディー全身がプラスチックでレンズも小さくて何だかカッコ悪いのです。
そんな時にみたのが表題のRicoh Elnica F 。
祖父の愛用カメラでした。
外観は二重像合致式でピントリングもあり、40㎜F2.8のレンズは少し大きくて外装は金属&革張りです。小学生当時の私が求めていたものが、完全とはいかないまでもそこにありました。
欲しかったんですが、祖父は結構写真撮影が好きみたいで譲ってくれません。
代わりに叔父の使っていた110のカメラを貰ったり、その叔父に固定焦点のコンパクトカメラを買ってもらったりと、色々してもらったのですが、RicohのElnicaFはもらえませんでした。
高校生になって
高校に入ると写真部に入部するなど徐々に道を踏み外し始めますが、その頃になって何故か急にRicohのElnicaFを譲ってもらえました。
理由は祖父の目が悪くなってオートフォーカスのコンパクトカメラに切り替えたからなんですが、既にNikonの一眼レフを所有していました。なので、憧れてたカメラを貰ったにも拘らず、感動は随分と薄れてしまっていました。
もう少し早くに切り替えてくれてたら、もっと活躍できただろうと思うと残念です。
それでも、小さいボディーはイイ感じに使いやすくて、専らトライXを詰めて使ってました。
露出制御はプログラムAEのみなんで、ぼかしたりとか絞ったりとかできないのが残念ポイントなんですが、レンズが40㎜F2.8なんで、絞り値を帰れたとしてもそれほど劇的に表現が変わらないよなーと、今となっては思います。でも当時色々覚えたての小僧にはその辺が酷く残念に思えたのでした。
久しぶりに調べると
そういやこのカメラって、世間様の評判は如何なもんなんだろう?って思って調べると、意外にもいい評価が沢山ついてるんですよね。
メルカリやヤフオクでもそこそこ高値で取引されてるようです。
10年ほど前に調べた時は、殆どデータが無かったのですが、今になって再評価されているようで驚きました。
このカメラ、シンプルながらもポイントは抑えていて、壊れにくいのが高評価につながったみたいですね。露出制御がプログラムAEonlyだったり、ボディが真鍮ではなくてアルミだったり、最短撮影距離がバルナック型のLeica並みの0.9mだったりと色々不満点はありますが、一般用途には問題ないですもんね。
さらにはRicohのコンパクトにはハズレが無いとか言われてるそうで、その昔に祖父は大変いい買い物をしたみたいですね。なんだか嬉しくなります。
久しぶりに出してみると埃まみれでしたが、また使ってやらないといけませんね。
祖父の事を思い出しながら…
FUJIFILM カラーネガフイルム フジカラー PREMIUM 400 27枚撮り 3本パック 135 PREMIUM 400-R 27EX 3SB
- 発売日: 2011/04/01
- メディア: Camera
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