人生初35㎜カメラでした
丁度世間がバブルの頃はデジカメなんて影も形も無い時代。
時代的にフジフィルムから「写ルンです」が発売されて間もないころなので、カメラがようやく子供にも買えるものになって来た感がありました。
そんな折、何かと世話を焼いてくれた叔父が、当時持っていたポケットカメラ(これも叔父から下賜されたもの)に代わるカメラを買ってくれるというので、喜び勇んで古川橋の駅前にあったディスカウントストア(TOPOSだったかな?)へ連れて行ってもらいました。
買ってくれるとは言っても、当時の叔父はまだ二十代。子供も生まれたばかりだったのであまり高いのを買ってもらう訳にはいかず、自然とそんなに高くないのを選んでました。もちろん当時はカメラに対して何の知識も無かったので、オートフォーカスやら露出調整なんて想像の外の世界だったので、ほゞ写ルンですみたいなカメラを買ってもらったのでした。
それがこの「SPACE LAND PC-400」ってカメラです。
当時、小5だった時分には十分すぎるぐらいなカメラでした。
ほゞほゞ写ルンですなので…
フラッシュ以外は全く電気を使わないエコなカメラです。
フィルムの巻き上げはノブ、巻き戻しはクランクで行う手動巻き上げ&巻き戻しをい採用。レンズは34㎜F3.5でISO感度を「400」の所にすると若干絞るみたいでF5.6ぐらいになるみたいです。
焦点調整はもちろんパンフォーカス。
34㎜のF3.5でパンフォーカスってのは若干無理がある気がします。
当時はプラスチック全盛期なんでボディはほとんどプラスチックで出来ていてとても軽いです。
ファインダーはアルバタ式逆ガリレオファインダーで、当時は素通しだった「写ルンです」のファインダーよりも良い物が付いてます。
まあ、色々と腐してしまいましたが、当時は何よりもパッと見で普通のカメラに見えるのが誇らしかったのを覚えています。
失敗の連続
前述したとおり、当時は何も知らない小学生。
なぜ失敗した写真が撮れるのかわからないような状態でした。
小学生の時は電車が好きだったので、朝の4時台に起きて京都駅まで行き、九州から来る寝台列車を撮影するのが何よりのイベントでした。
いくら夏場でも朝の4時~5時は真っ暗です。
おそらくシャッター速度1/100secでF3.5なんて云う露出で真っ暗な中を撮影してしまい、ヘッドライトやら電光式方向幕だけが明るいような写真を量産してしまったのはいい思い出です。真っ黒な写真ばかりの写真が入った同時プリントが上がってきたときの落胆は今でも脳裏に焼き付いています。
そしてフラッシュ
唯一電気を使う個所のフラッシュ。
此処はとても乱暴です。
TTLなんてもちろんないですし、フラッシュマチックやら外光オートなどという高級な機能もありません。
唯々一定の光量で力の限り光るヤツです。
なので、近くを撮影したら光が当たり過ぎて真っ白になりますし、遠くだと逆に光が届かず真っ黒になります。
前述の失敗はフラッシュを以てしても解消されないモノでした。
露出の仕組みがわかるのは一眼レフを入手してからです。それまでは「?」と思いながらも失敗写真を量産し続けるだけでした。
それでもメインカメラ
とは言っても、これに代わるものなど持ちようが無くて、高校に入るまではこのカメラがメインカメラとなります。
当時の中坊はあんまりお金もってませんでしたからね。
カメラを買いかえるって頭がありませんでした。
そういえば中学校の卒業アルバムでは体育館で撮られたクラブの集合写真で背景が真っ暗でした。当時の写真館はたまにこんなハズレを撮るカメラマンが居てゲンナリしたものですが、その写真をきっかけに写真に興味が湧いたのは不思議な縁です。
それを見て考えて、SPACE LAND PC-400で撮った失敗写真の原因がわかった気がしました。皮肉なもんですね。
因みに海外製品
バブル期までは機械製品は国産というのが当たり前だったのですが、平成になった頃からアジア諸国製品が増えてきた気がします。
因みにこのSPACE LAND PC-400も台湾製。
当時は台湾製というとイマイチ信用が置けなくて嫌でしたが、単純な機構故か故障はありませんでした。もっと雑な機械だとフィルムがジャムったりしそうですが、そう云った基本的なところでの呼称が無いのは、良い機械だったからかもしれません。
台湾はこの後もEOS1000などのCanon製品をはじめとして、精密機械製造で躍進していくことになります。当時はSHARPが台湾の会社に買われるなんて思いもしませんでしたね。
当然ながら予備役です
久しぶりに引っ張り出してみたSPACE LAND PC-400ですが、久しぶりにフィルムを詰めてろうと思っても、今はフィルムが一本1000円コースなんでおいそれとは使えません。
写りも何となく想像できるので、記念碑的に置いておきたいと思います。
初めてのーってのは大切ですからね。
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- メディア: Camera
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