郵便局の売店で仕入れた品です
ちょっと趣向の違う店に自分の好みの品があると、その商品が魅力的に思えて無性に欲しくなったりします。
例えば駄菓子屋でプラモデルを売ってたりすると、模型屋で見たそれよりも魅力的に思えたりするんですよね。
旅行先や普段いかない場所で見つけた近所でも手に入るような品物も、その場では2割増しに魅力がアップしたりします。
そう云った理由で買った訳では無いのですが、この35㎜F2は変なところで見つけたのも相まって買ってしまいました。
親方日の丸時代の郵便局、その売店
大学生の頃、大阪駅前の中央郵便局でバイトしてました。
郵便局のバイトって時給は安めなんですが「外に出られる仕事」ってのが好きなんで、楽しくお仕事に勤しんでました。
昔の中央郵便局は大阪駅前なのに5階建てぐらいの建物ですが、昔の重厚な建築で、1フロアあたりの高さが結構あったんで見た目の高さはそこそこありました。
その最上階は食堂と売店になってまして、お昼時は結構にぎわいます。
売店は本当に昔ながらの売店って感じなんですが、何故かショーウインドゥにカメラが置いてあったんですよね。
しかも古いヤツ。
で、その中の1台がCanonのレンジファインダーCanonⅤL2型で、35㎜F2レンズ付きで売ってました。お値段は5万円しなかったと思います。
丁度写真を始めて慣れた頃ってLeicaが欲しくなる麻疹みたいな症状に陥るんですが、ちょうどこの頃がそんな感じで、Leicaが欲しいけどお金が無いという極めて当たり前のことに悩んでました。
そんな貧乏学生にピッタリなのがCanonのレンジファインダー。
LeicaのⅢ型よりも使いやすくてM型より若干性能は劣るものの汎用性は高くてロシア製よりも信頼性は高いです。
パララックス補正がないⅤ型ってのは引っかかりましたが、付いているのが35㎜F2ってのは魅力的。スナップは35㎜って固定観念もあるので思い切って買ってしまいました。
その月、郵便局で稼いだお金の半分ほどが郵便局内に吸い取られていきました。
レンジファインダー
レンジファインダーって奴は結構使いにくいもんで、前述のパララックスに加えて最短撮影距離の縛りって厄介なものがあります。
LeicaのL39マウントだと最短撮影距離は1mです。
50㎜だと「ちょっと寄れないな」ぐらいの感覚なんですが、これが35㎜だとメチャメチャ使いにくくなります。28㎜だと絶望的です。
レンジファインダーを使い始めたときには最短撮影距離が長すぎて困惑しますね。
なので、早々に使わなくなってしまいました。
35㎜レンズは寄れなきゃもどかしくってしょうがないですからね。
因みにボディのⅤL2はLeicaM4-2を買った時に先輩へ譲渡しました。
あんまり使わないカメラばっかり持ってても仕方ないですからね。
発掘
EOSR6とマウントアダプターを購入した際に思い出したのが、この35㎜のこと。
同時期ぐらいに買ったNikkorの50㎜は直ぐ見つかったんですが、35㎜がどうしても見つかりませんでした。
てっきり売ってしまったかと思ってたら、普段動かさない箱の隅に転がってました。
本当に普段使わない機材の始末が悪いので困ります。
さて、折角発掘した35㎜。
少しぐらい描写性能がイマイチだったところで、デジタルなんで撮影時に概要は把握できますし、多少写りが渋くても「味」って笑い飛ばせるぐらいのレベルだろうと思ってました。
今回問題だったのは保護フィルター。
時代が時代なんでスカイライトフィルターが付いてたんですが、これが結構モヤモヤで明らかに写りに影響あるレベル。
外そうとは思ったんですが、キツすぎてダメでした。
仕方ないのでそのまま撮ってみたところ、懐かしのソフトフォーカスフィルターで撮ったみたいにフレアっぽく写りました。
その他、周辺減光も結構酷くて絞り開放だと穴から覗いたような感じになります。
デジタルだと欠点が如実に出ますね。
そりゃズミクロンとは桁が違う値段ですからレベル違うとは思うんですが、思ったよりも癖が強かったのが印象的です。
小さいんで、ちょくちょく持ち出して行こうとは思いますが、最短撮影距離の長さは致命的ですね。
こんなことならヘリコイド付きのマウントアダプターにしとけばよかったかなと、若干後悔してます。
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