雑食カメラマンの雑感記

神戸でフリーカメラマンをしています。写真やカメラのことを主に書いていこうと思いますが、たまに脱線します。よろしくお願いします。

久々のレア機 CHINON CP-7m

雑な外観とシッカリした作りのカメラ

CP-7MultiProgram。久々のヒットです。

仕事帰りについついやてしまうジャンク漁り。

先日は久々に川西市だったので、帰り道に伊丹昆陽のジャスコ脇にあるハードオフに立ち寄ってみました。

最近は色々と情報も行きかっているようで、掘り出し物ってのが少ないのですが、それでも目玉商品としてMINOLTAのα用300㎜F2.8が3万円程(買えないからうろ覚え)で売られてたり、よく見ると面白いものが眠ってます。

そんなお店で見つけたのはChinonのCP-7MultiProgram。

自動巻き上げ&自動巻き戻しのマニュアルフォーカス一眼レフです。

樋凝らし気な「MULT-IPROGRAM」の文字

この時代の一眼レフは過渡期感がたまらない訳ですが、それがマイナーメーカーだと一層際立つので大変面白い逸品となっています。

意外と言っちゃ失礼かも知れませんが、大変真面目な作りのカメラで売り方さえもっとうまくできたら大ヒットとはいかないまでもソコソコ売れたんじゃないかってぐらいに出来は良いと思います。

同時代のCanonT-70よりもわかりやすい操作系ときびきびとした動き、NikonのF-301よりも新しい操作系で好感が持てます。

想像ですがマイナーメーカーなのであまり店舗での展示が無くて露出が少なかったであろうことと、デザインが野暮ったいのが残念です。

イカメラなんですけどね。

オートフォーカス準備機

AF化と同時にCXコードなんてのも出てきましたね

好事家の方々はご存知な事と思いますが、この時代はオートフォーカスカメラの為のベースになるモデルなんてのが存在します。

本格的なオートフォーカス機を出す前にその操作系に準じたAFなしのモデルです。

blog.kobephotomic.work

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中でも特に有名なのは前述のNikonF-301なんですが、コレと全く同じ構図がChinonでもありました。

それがこのCP-7MultiProgramなんですよね。

この後、Chinonからは満を持してCP-9AutoFocusなんてのが出ますが、大手メーカーの物量の前に衆寡敵せず、早々に撤退の憂き目に合うのでした。

もし生き残っていたら第三のKマウントメーカーとして面白いのを世に送り出してくれてたんだろうなと思うと非常に残念です。

電源は単3電池4本。重さで電池蓋の爪が折れそうで怖いです

お目当ては付属品

そんなCP-7MultiProgramですが、ハードオフで付いていた値札のお値段は800円(税抜き)と、特段易くもない金額。

最悪文鎮としてしか機能しないだろうことを考えるとお昼代よりお値段が高い目(自分基準)ですので躊躇するところです。

ですが、ジャンク籠に入っていたCP-7MultiProgramに付いていた裏蓋が「INFO BACK-3」なる多機能なデータバック。多分インターバルタイマーと多彩な日付の写し込み昨日程度しか無いんでしょうけど、このテのアクセサリーに非常に弱いんです。

多分レアなINFO BACK-3

さらにはホットシューの天辺にPENTAXのホットシューアダプターってのが付いていて、シンクロ接点が追加された形になってます。

この二点だけでも購入動機としては十二分なんで、ほゞ迷わずレジへ直行しました。

因みにホットシューアダプターは最近付け外しが過ぎたことと、場所が悪くて手が当たるために接点不良を引き起こすEOS5D系をストロボで使う時に付けてやろうかと目論んでいます。

そしてホットシューアダプター

面白い操作系

CP-7MultiProgramで何よりも目を引くのは右手側にあるP・A・B・Mの四文字が四隅に印字された妙なプレート。

独特なモードプレートとMEスイッチ

一瞬考えたら理解できるんですが、コレがモードダイヤルのようなモノで、プレートの隅を押すと印字された文字のモードになるという、わかりやすいんだかわかりにくいんだかよくわからない機能です。

そのプレートのレンズ側にシャッター速度を変えるボタンがあるので、たまに誤作動してしまうという優れもの。モウチョイやり方はあったかと思いますが、実用性はさておき判で押したように同じようなモノが発売される昨今にあってはその独自性が眩しいです。

さらにそのプレート横には分不相応なまでに大きな「ME」スイッチがあります。

「ME」って唐突に描いてあるとPENTAXのAE専用機?それともブルースクリーンで有名なWindowsのMillenniumEdition?って思っちゃいますが、この場合はMulti-Exposure、つまりは多重露光の事です。
多重露光なんて一生に数回しかせんのとちゃうか?って思いますが、私が知らないだけで世の中には熱心な多重露光ファンが居るのかもしれません。
ただこんなところにあると、間違って多重露光になってしまう事故が頻繁に起こりそうで怖いです。マミヤプレスとかRBの手巻きフィルムバック並みに事故りそうなスイッチです。

そして妙なプレートに押し出される形でメインの液晶パネルは左肩部分に設置。

液晶は左肩に

CONTAXの167MTみたいな形状がなかなかステキです。

使い勝手はそれほど悪くはないんですが、フィルムの手動巻き上げ&巻き戻しに慣れた世代にはちょっと違和感があったことは容易に想像できます。167MTならCONTAXブランドの威光でスルーされることも国産メーカー(CONTAXも当時は国産ですが…)がやると一気にウィークポイントになっちゃうのがツライところ。
まあ、CP-7mに関しては液晶よりもモードパネルが目を引いちゃうわけですが…

十字のフォーカススクリーン

コイツが問題のフォーカシングスクリーン

迂闊だったんですが、買って帰ってレンズを付けてからファインダーを覗いて、やっとアカンポイントに気付きました。

スクリーンが十字なんですよね。

多分天体用の奴じゃないかと思うんですが、その所為かファインダーの倍率が妙に高いんです。眼鏡外しても四隅以上がケられそうなぐらい。

無理してなら使えないこともなさそうなんですが、コレはどうも使い勝手が悪いです。

ただ、ピントのヤマはメチャメチャ見易そうなんで、アタリ付けて撮るなら良いのかな?って思います。

何よりもCP-7m用のファインダースクリーンなんて売っちゃいないでしょうから、このカメラを使うならこの十字ファインダースクリーンで使うことが絶対条件です。

そういえば天体撮影用にはKマウントが大活躍だったのを忘れてましたね。

それにしても昔は単三電池を一晩で無駄にしつつ星を撮っていたのかと思うと、頭の下がる思いです。機械式のヤツ使えばいいのに…

 

 

 

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