意外とイイですが前の型が悪すぎただけかも…
何故か集まってしまったKYOCERAの一眼レフ。
当時の京セラって会社自体、CONTAXの片手間にKYOCERAブランドのカメラをやってる感があって、イマイチ馴染みの無いまま市場から消えて行ったシリーズです。
現物を手に取ってみたら撤退も已む無しって感じもしますが、それでもいい所は結構あったりして憎めない奴等なんですよね。
カメラとしての質感やら露出コントロール等々のやりやすさみたいなところはCONTAXってブランドに任せ(そっちはそっちで癖が強いのですが…)て、簡単に撮れるってところに焦点を合わせて…たんじゃないかな?と思いますが、どうも迷走具合が激しい目のカメラたちです。
MINOLTAαを模範とした230AFなどの第一世代、CanonEOSのフォルムに浮気をした270AFの第二世代、そして当時流行りのパワーズームを取り入れた300AFが第三世代ってところでしょうか。
その第三世代で京セラブランドは一眼レフから撤退します。
第三世代は第二世代の迷走っぷりをザックリ切り捨てて、当時としては珍しい2ダイヤルによる操作系が目新しい、良いところまでこぎつけたような一眼レフでした。
300AF
外見だけ取り繕って中身は酷いの一言に尽きる270AF発売から2年後、1993年に270AFよりも1万5000円ほど安いプライスで登場しました。
まあ、前のモデルの270AFが酷すぎる代物だったんで、300AFはとてもイイカメラに見えて来るんですが、270AFで落とした信用ってのは大きかったみたいで市場の評価も厳しく、殆ど売れなかったようです。最後には雑誌等の特売で1万円台まで落ちて投げ売られてたとか…タイミングの悪い登場でした。
まあ、前モデルより1万5000円も安くなって登場しただけあってコストダウンの成果が随所で浮き彫りになっていて、質感なんてものは皆無。プラップラでテッカテカの仕上がりを見せらると、まだまだカメラを高級品とする風潮が残っていた90年代は拒否反応を示したんじゃないかと思います。EOS1000よりもプラ具合は凄いです。
勿論ファインダー表示も簡易的なもので合焦表示と露出のアンダーオーバー、フラッシュマークとPモードの表記しかありません。非常に簡略化されてます。
まあ、ファミリー層向けにはこれぐらいで良いちゃ良いんですけども、一眼レフが一機種しかラインナップに無い状態だと、これ以上広がらないって意味で厳しいんですよね。本格的なものを求める方はCONTAX買ってくださいって言ってもマウント違うんで、それならNikonやCanon、MINOLTAなんかを買った方が手っ取り早いですからね。わざわざKYOCERAのカメラを買う意味が無いんです。
もし、300AFがMINOLTAの最下位機種とかだったら、それなりに売れたかもしれないんですけどね。そういった意味では惜しいなぁーと思います。
軽く触ってみて
そう言えばこの300AF、当時の量販店でもあんまり見なかった気がします。
興味が無かったのが一番大きかったんですが、興味を持たれないブランドのカメラがバカ売れするって事も無いですから、趣味性に訴えかけるってのはそれなりに重要ですよね。ファミリー層向けの一眼レフにはCanonとMINOLTAが大きなシェアを持っていたんでそこに食い込んでいくことはなかなか難しいでしょうし、どうやっも300AFが爆売れする未来が見えないってのが事実です。
届いた実機に触れてみても「270AFより良いな」って感想は湧きますが、コレと言って売りが無いんですよね。
折角の2ダイヤルもファインダー表示が簡素すぎて宝の持ち腐れ状態。
これでファインダー表示がEOS1000並みにシッカリして交換レンズも豊富だったりしていたら、マニアックな方が目を付けてくれたかもしれませんが、パワーズーム2本しか無い状態だとパンチが弱すぎます。
実際のところパワーズームってヤツはイマイチ使い難いですし、流行りに流された感は拭えません。
今一歩のところまで漕ぎつけながら、先へと進めなかった300AFはチョット不憫な気もしますが、ここら辺がKYOCERA製カメラの限界だったのかもしれません。
せめてマウントをヤシコンマウントにしてくれてたら生き残る道はあったかもしれませんし、その後のデジタル化も違った形になってたかもしれないと想像してしまいます。
色々残念なカメラでした。
キライじゃ無いですけどね…
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