CanonT90のような多機能マルチモード機?
ここのところ、人気の無いモノにうっかり入札してしまってそのまま落札というのを毎週繰り返しています。
我ながらヤバいなとは思うんですが、数百円の話なので家族には勘弁して貰えたらなーと思ってます。
で、今回のブツなんですが、RicohのXR-10PFってカメラです。
ブログでこのストロボ無しの記事を発見したのも落としちゃった原因の一つですね。
cosinon.hateblo.jp
存在はすっかり忘れてましたが、思い出したら俄然興味が湧いてきました。
Kマウントばっかり増やしてどうするねんーって感じですが、安くて面白そうなものって探すと、Kマウントになってしまうのです。仕方ないですね。
時代背景
XR-10PFが登場した1995年はすでにオートフォーカス一眼レフも成熟期。
Canonからはすでに前年、EOS-1nが発売されておりMINOLTAはα707si、翌年の1996年にはNikonのF5が登場するなど高性能・多機能から使いやすい操作系の確立に各社腐心していた頃ですね。
前述のα707siYAPENTAXから出たMZ-5なんかに当時の操作系統への苦労が偲ばれます。
確かにこの時代、カメラが一気に使いやすくなった気がします。
そんな中登場したのが、RicohのXR-10PFです。
時代に逆行
勿論このXR-10PFもマニュアルフォーカス。
ですが、前々作のXR-Xをベースに機能を盛り込んだ意欲作だと聞いていました。
シャッター速度こそ1/2000~15秒(オート時は30秒)のシンクロ1/00という物足りないスペックでしたが、プログラムAE・絞り優先・シャッター優先両用AE シャッタースピードマニュアル可能 平均・スポット測光切り替え・ファインダー内に露出その他LCD表ー等々の多彩な露出制御に多機能の内臓ストロボを備えたRicoh一眼レフの最高峰という触れ込みでした。
なかなかに期待は高まります。
また落としてしまった…
そんな高性能機がヤフオクで3000円もしない値段だったんで、試しに入札してみたら(この時点で残り3日ありました)その後に誰も手を挙げず、そのまま落札。毎度のパターンです。Ricohは特にこの流れが多いなぁ…
前回のα9000が不動品だったので、今回は動いてくれよと祈るような気持ちで届いたブツを弄るときちんと動いたので安心しました。
が、どうも動かし方がおかしいのです。
変態操作系
普通に考えて露出モードを変えようとしても 、モード表示がありません。
マルチモードならPS(Tv)A(Av)Mの基本モード+αってのが普通なんですが、Auto/A・offの謎表示。加えてモードボタンもMODE1とMODE2の二つに分かれていて、それぞれボタンを何回か押して変更したい項目を表示してダイヤルで選択するーという、どうしたらそんな方法を考え付くのか問いただしたいレベル。
この時期、カメラの操作系に対して各メーカーが腐心していましたが、その結果が明後日の方向へと向かってしまった悲しい事例ですね。
とりあえず、Auto/A・offでシャッター速度を自分で入力するか否かを決め、絞りリングで絞り値を自分で入力するか否かを決めるーというところまでわかりました。
FujinoミラーレスやPanasonicのLX100みたいにシャッターダイヤルが独立しているタイプならこの考え方はわかるんですが、これを液晶のしかも一般的でない形で表示されると面喰いますね。「A・off」って何やねんって感じで、使い難さにびっくりです。
そのほかにもMODE1とMODE2ボタンに雑多な機能が適当に詰め込まれているので、使い勝手は非常に悪いです。多分使ってきた中で一二を争うぐらい。
Ricohはこの機を最後に35㎜一眼レフカメラの開発・製造を終え、有名なGR等の独自路線に舵を切っていく訳ですが、そう云った意味では記念碑的な存在ですね。
まあ、定価が37000円という当時のEOS-kissよりも安い設定だったんで、操作性含めてチープなのは仕方ないところなのかもしれません。色々と可能性を秘めつつもパッケージングのせいで台無しになってしまった、ある意味可哀そうな機種でしたね。
とりあえず試写してみないと…
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Shooting Old Film Cameras - Ricoh XR-M (English Edition)
- 作者:Moore, Paul
- 発売日: 2012/10/18
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