ロシア(ソビエト)製一眼レフの代表格
安かったので試しに入札してみたらそのまま落札してしまいました。
ZENITはその仰々しい位に肉厚なボディと裏腹にショボすぎるスペックが非常に魅力で前々から欲しかったんですが、残念なことに同じこと思う同好の士が結構居るのかそこそこ高値で取引されています。
どう考えても一万円超えるようなカメラじゃ無いんですが、そこは趣味の品。ZENITで撮れるような写真がイイなら、実用性云々言うと中古のPENTAX SPで代用が効きます。野暮言っちゃいけませんね。
それにこう、共産国の香りがそこはかとなくしてくるのが良いんですよね。
まあ、軽い病気みたいなもんです。
ZENIT
ZENIT(ロシア語で書くとЗени́тらしい)はロシア(時代的にはソビエト連邦)のカメラブランド。
一部マニアには有名なKMZ(クラスノゴルスク機械工場) の製造です。
ZENITの商標は、35㎜一眼レフカメラ用のモノで、メーカー名じゃなくて今で言うとRICOHが製造するPENTAXみたいな感じでしょうか?
前述のKMZでは、Leicaコピーの代表格「Zorki」や、スーパーイコンタのコピーである「Moscow」、同じく6×6判の「Iskra」のほか、スウィング式パノラマカメラで有名な「Horizon」なんかを製造してました。
HasselbladやCONTAXのコピー機「Kiev」の各型を作っていたАрсенал(アーセナル)と双璧を成すロシア有数のカメラ工場です。
Арсеналに比べるとKMZの方がロシアンカメラ色が濃くてワクワクします。その分故障しがちな気がしないでもないですが、まあどっちも壊れやすいですよね。
そしてZENIT TTL
で、今回入手したのがZENITがTTL式露出計を内蔵した初めての機体「ZENIT TTL」になります。
スペックとしてはM42マウント。汎用性は高いです。
シャッター速度はB・1/30〜1/500と非常に低スペック。RICOHのサンキュッパなXR500にすら負けてます。アッチは1/8〜1/500までありますからね。
X接点は1/30。PENTAXの6×7並の低スペックです。
ホットシューも未装備で右手の邪魔なところにシンクロ接点があります。
勿論、外付けのワインダー・モータードライブなんてのはありません。
ウリのTTL露出計はどれくらいの照度まで図れるかわかりませんが、絞り込み測光なので使い勝手は悪い目。何よりもファインダーがメチャメチャ暗いので屋外の昼間ぐらいでしか使い物にならなさそうです。動いても多分使わない。
ちなみにミラーはクイックリターン式。
国産では当たり前の機構ですが、ロシア製でクイックリターンミラーだと何故か感激してしまいます。
そんな低スペックのZENIT TTLは1977年の発売。
「連写一眼」で一斉を風靡したCanonAE-1発売の翌年だったりします。
さすがRussia…
届いたブツは…
届いたZENIT TTLはそこそこきれいな個体。
若干テンション上がります。
各部の動きもまずまずで、巻上げレバーなんかはロシア機とは思えないほどの滑らかさ。
巻き上げ角度は大きめで若干ゴリゴリ感はありますが、ロシア機とは思えない精密感があります。
M42マウントのレンズはコムラーの28㎜F3.5とペンタコンの30㎜F3.5、タクマーの300㎜F4.5しか持ってません。
なので、ペンタコンの30㎜を付けてみたんですが、F3.5なんて暗いレンズではピントの山どころか被写体すらよく確認できません。困ったもんです。
こいつはなかなか難物だなと思いつつ裏蓋を開けてみると、お察しの通りシャッター幕がjamってます。
どうもオークションの商品概要をよく確認してなかったみたいで、改めて見直すとキチンとシャッター不良と説明に加えて写真も載ってます。
よく見てみるとシャッター後幕を引っ張るリボンが切れているようで、ちょっと弄れば治りそうな症状。
暇を見つけて治してみようと思ってたんですが、いつになることやら…

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