実質最新型のZENITです
またもや手を出してしまったロシア製。
痛い目見ても全然気持ちが萎えないのは一種の病気なんでしょうね。
ただ、枯れた技術を時間差攻撃的なタイミングで出してくるところは気持ちの中にある妙なスイッチを押される気分で癖になります。
KievやZorki、FEDなどドイツ製カメラのデッドコピーで有名なロシアンカメラですが、ZENITは稚拙ながらもオリジナルなカメラで勝負(?)してました。
一眼レフながら非常に見難いファインダーと操作し辛いレバーやボタンの配置が楽なカメラに慣れた身を引き締めてくれてたんですが、世界の趨勢から結構遅れつつ進化を遂げてました。
で、多分なんですが知る限り最終形態とも思えるのが今回手に入れたZENIT KM Plusです。
どうやら「KM」と「KM Plus」ってのがあるみたいなんですが、何が「Plus」なのかはちょっと調べてみたんですがわかりませんでした。
比較画像を見る限り何も足してないように思えるのですが…
デッカイYASHICA108MultiProgram
見た目と存在は大きくなったYASHICA108MultiProgramみたいな感じ。
巻き戻しも自動なのでマイナー機の109MultiProgramの方が近いかな?
とりあえず自動巻き上げ巻き戻しが自動でAEが付いていてフォーカス以外はフルオートで使えるけど、後はフルマニュアルで使うぐらいしか用途が無いヤツです。
ファインダー表示もNikonのFM2以上に簡素で、3点LEDの露出計のみという潔さ。
シャッターも絞りも表示されません
但し、ファインダーの見栄具合は結構改善されていて、ZENITお得意のM42マウント機に比べたら雲泥の差です。
この辺は時代が進んでいるだけあって…
とはいえ、ZENIT KM系は2002年の発売なんですよね。
幾分丸っこくなってデザインは少し近代的になってるものの、内容は1980年代のYASHICA並み。いや、プログラム露出が無い分少し古いぐらいです。
一応、フィルムの感度を自動で読み取るDXコードには対応してるみたいですが、2002年なんて時代に誇示するような機構じゃないですよね。
世間がデジタル化一色に染まった21世紀に、こんな古めかしい一眼レフを新製品として出すなんて、ロシアって国は底が知れないマーケットを持ってるようです。
チープさが身上
少し丸っこくなったとはいえ、そこはロシア製。各所にチープさが散りばめられていて安心させてくれます。
まあ、デザインは好みがあるので別にして、前後2分割なつくりになっているボディは少し強く握るとギシギシと嫌な軋み方をします。このモナカのような構造は80年代のKonicaTC-Xみたいです。安っぽさは同等かそれ以上ですね。
フィルム室を開けてみたら何やらソノシートか未現像のモノクロフィルムのようなシャッター幕がお出迎え。遮光性に関して非常に不安が募ります。
また、その裏蓋を開ける動作も頼りないもので、そこ面にあるポッチを押したら裏蓋が開きます。ロック機構やツーアクションなんて誤作動を防ぐ仕組みは皆無。机の上に置いた際、何か突起があればいとも簡単に裏蓋が開いてしまいそうな構造なので、誤作動でフィルムをダメにしてしまう未来しか見えません。
また、ZENITなのにLEDが…と思ったら、フィルムカウンターのようで、こんなところだけ京セラのCONTAXみたいなマネしなくてもいいのになって思います。でも、CONTAXは液晶ですがこちらはLED。無駄に電気喰いそうなのもありますが、昭和の刑事ドラマに出てきた時限爆弾の時計みたいな表示方法はロシア製っぽすぎてしびれますね。
全体的にみて、悪い意味での期待を裏切らない製品のようです。
ロシア製はこうでなくっちゃ嘘ですよね。
チープ過ぎるが故に
そんなチープさ満開のZENIT KM Plusですが、チープ過ぎて落とした個体シャッターダイヤルの表示盤が外れて付いてませんでした。
困ったことにシャッターダイヤルが今どこを指しているかってのがわかりません…
まあ、ガチで使わないからエエやないかとの意見もありますが、ロシア製といえども不完全体だと萎えます。
数少ない資料を参考にしながらシャッターダイヤルをリペアしてやろうかなと思ってますが、結構めんどくさいのでそのまま死蔵してしまうかもしれません…
とりあえず付属のMC ZENITAR-K2なんて名前の50㎜F2レンズは使えそうなので、一先ず先にレンズだけ試してみるのもアリかななんて思います。
ただ、レンズもコーティングが死んでいて表面ボロボロなんですよね。
一筋縄ではいかないのがロシア製ですからねぇ…
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