雑食カメラマンの雑感記

神戸でフリーカメラマンをしています。写真やカメラのことを主に書いていこうと思いますが、たまに脱線します。よろしくお願いします。

究極の「サブカメラ」KONICA AiBORG

AiBORGは「アイボーグ」って読みます。多分駄洒落です

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シンメトリックな外観です

またもや変態なカメラを入手してしまいました。

コニカのAiBORG。知る人ぞ知るって感じの多機能コンパクト(⁉)カメラです。

発売当初はテレビCMまで流していたんで、KONICAとしては結構力の入った製品だったことが伺えます。

「多機能/高機能コンパクトカメラ」ってのが一時期流行りましたが、この相反する言葉を一つにまとめた「多機能/高機能コンパクトカメラ」の「コンパクト」ってのは単に「一眼レフ」の対義語でしか無いんですよね。

このAiBORGも大きさで言えばOMやPENTAXのMシリーズに比べたらデカいです。

MINOLTAのAPEX105やRicohのMIRAIなんかに比べたら小さい方ですが…

blog.kobephotomic.work

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何というかゴッツイ感があります

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レンズバリアも特徴的

冒頭で述べた通りこのAiBORG、色々ゴッツイです。

それほどな紙が詰まった感は無い、というよりも結構スカスカな感じするんですがガワはデカくて多機能です。

シャッター速度は6.4~1/500秒。

レンズは35-105㎜で、F値はF3.8~8.5です。

テレ側F8半って恐ろしく暗いですが、この時代はまだまだツワモノが居てこのぐらいの暗さではそれほど気にならない数字でした。

ただ、ISO100のフィルムなんて詰めた日にゃ三脚必須になりそうなスペックですね。

105㎜でもそんなにボケませんし、このレンズではシチュエーションを選びますね。

まあ、シャッター速度も上限1/500ですから妥当なのもかもしれません。

多分レンズシャッターですからね。

ショッカーなんて揶揄されたり…

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ショッカーっぽいマークです

デザイン上で目立つのが真正面上の謎マーク。

何とも独特で他のKONICA製カメラにも見られなかったことから、当時の気合の入りようが垣間見える気がします。

が、評判は散々で「ショッカーの戦闘員みたい」なんて揶揄されたりしてました。

初代の仮面ライダーなんて今の子は知らんのと違うか?なんて思いますが、敵方の雑魚っぽいーという例えは悪い上に弱いって印象付けで大変よろしくないです。

個人的にはこの悪者顔って雰囲気は嫌いじゃはないですけどね。

まあ、個性的な事は良いことです。

一番のウリは測距点の移動

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右上のレバーで測距点移動させます

AiBORGで一番印象的だったのは測距点の移動。

なんとこのAiBORG、1991年発売と30年前のカメラなのに測距点が動かせます。

zoomレバーと同一軸上でお世辞にも使いやすいとは言えないところですが、測距点を横軸上に動かすことができます。

素通しに近いファインダーなんで、たとえ測距点のマークが移動したところで本当にピント合ってるのかわからないってのが困ったところですが、そこは抜け目なくシャッターボタンの半押しで大体の距離をファインダー内に表示してくれます。

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ボテッとした外観ですが持ち易いです

なので、落ち着いて使えば大幅なピント外しは起きにくいはずなんですが、シャッターボタンの半押しが非常にやり辛いところが難点です。個体差あるのかもしれませんが私のAiBORGはちょっと力入れたらすぐにシャッター切れてしまうんで半押しには慣れが必要です。

因みにこの時代は「シャッターボタンの半押し」って言っても通じないことの方が多かったですよね。2010年頃になると一般的になりますが、スマートフォンのカメラが主流な今では忘れられつつあります。時代の変遷ってヤツですね。

AiBORGには測距点をスポット測光する機能もあって、この辺りはなかなか上手い事作られてるなぁって思いますが、スポット測光と露出補正が同時にできないんですよね。

この辺りも難アリってところです。

使い勝手は…

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モード選択がもどかしい

この時代の「多機能」ってのはモードが色々あってそのモードを選択すると他のモードの使いたい機能が使えなくなるという何とももどかしい多機能具合なんです。

前述の通りAiBORGは露出補正が+-1.5EV出来るんですが、露出補正を選ぶとフォーカスの無限遠固定やスポット測光、夜景モードなどの各モードが使えません。選択できるモードは一種類のみってところが潔いというか何というか…

ただ、複数モードが選択できるようになるとそれはそれで煩雑な操作になりそうで難しい所です。

昔ながらのシャッター速度ダイヤルと絞りダイヤル、それぞれにAutoを乗っけておくのが一番わかりやすい気もしますが、当時の「コンパクトカメラ」ってカテゴリーではできなかったんでしょうかね。今のデジカメなら結構ありますがフィルムのコンパクトカメラで出来る事って限られますからね。割り切りが大切なのかもしれません。

多少デカいけど優等生

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最中構造なんですが何と言うかここら辺は安っぽいです

コンパクトって言い方云々は置いといて、このテのレンズ固定式でフルオートのカメラにしては結構秀逸なカメラです。

測距点の変更が可能なのは特筆すべき点ですが、他にもスポット測光に雪景色などの白バック用撮影モード、+-1.5EVの露出補正など、露出の失敗を防ごうとするモードがイッパイです。

ネガカラーを主力商品としていたKONICAらしいカメラだと思います。

色々できちゃうのでついつい欲を言ってしまいそうになりますが、結局のところほどほどにモードを活用してやればすごく良い結果が得られたんだろうなと、今になって振り返るとそんなふうに感じます。

まあ、本体価格が6万5000円もする高級コンパクトカメラなんで、これを選ぶ人は限られてたとは思いますがね。FM2本体がそれぐらいのお値段なんで、安い一眼レフを買えるぐらいのプライスなんで、売れなかったのも頷けます。

でも良いカメラですよ。

適当にネガカラーフィルムで遊びたい方なら買って損はないくらいです。

癖は強めですけどね。

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電池は2CR5のリチウム電池ランニングコストは高めです

 

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